613: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/10/23(日) 09:45:11.41 ID:Jj5KE7Sa0
「とにかくお前は命中させることだけを考えろ」
「発射の準備が出来たら合図を送る」
「そうしたら、ヤツに一発ぶち込んでやれ」
通信機の向こうの日下部は全ての指示に『はい』の一言で答えて、それきり口を閉ざす
野田の事が気になるとしても、自分がヘマをすればこの船の全ての人間が危険に晒される
絶対に失敗できないと言う緊張と友がどうなっているか分からないという不安に向き合うための沈黙なのだろう
それ以上は返答を求めずに『それまで通信は繋げたままにしておけ』と付け加えて日下部への命令を終わらせる
(さて、次はこっちか)
マイクに余計な声が入らないように口元から外すと、今度は艦橋の船員たちへと目をやる
敵から致命傷を受けた衝撃と目の前に現れた敵の異様な風貌のせいか、未だに軽く放心している者が多かった
舵輪を握る井上や敵に釘付けになっている大久保はともかく、小林や多くの船員たちはまだ立ち直っていない
この局面でこのまま見過ごすわけには行かない
「しっかりしろ! 小林」
目の前で呆けている小林の名を呼んで、現実に引き戻させと、
「主砲発射だ」
「投錨部隊を今すぐ退避させろ!」
半分怒鳴るように投錨を行った隊員を避難させるように指示した
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