614: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/10/23(日) 09:50:20.15 ID:Jj5KE7Sa0
一瞬呆けたような表情をした小林だが、直ぐに我に返って手を動かし始める
その姿を横目に、今度は正面の大久保に向かって激を飛ばず
「大久保! もう計器は見なくていい」
「敵の動きだけに集中しろ!」
大久保は何も言わずに大きく頷く
そのまま踵を返して正面へ振り返ると、左手に持っていた双眼鏡で敵の観察を再開した
続けて、操舵手の井上へと指示を下す
「進路はこのままだ」
「敵が逃げるかこっちが沈むか」
「それまで真っ直ぐ突き進め!」
指示を受けた井上は『了解』と大きく返事を返す
先ほどの急旋回で、遠心力と慣性力の影響をもろに受けたはずの井上だったが、その声には一切の疲労は見られない
空元気かも知れないが、今はありがたかった
そんな井上の不屈の精神を受けて、挫けかけていた船員たちの気持ちが再び熱を帯びて盛り上がっていく
今、艦橋にいる全ての人間が勝利に向かって突き進もうとしてるのが感じられた
「敵、砲門に動きあり!」
「次弾、来ます!」
観測手が敵が再び砲撃を開始する素振りを伝える
その視線の先に浮かぶ影は、もぞもぞと針のむしろのように飛び出した砲門をうごめかせている
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