617: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/10/23(日) 09:55:56.58 ID:Jj5KE7Sa0
(今更何人か死んだところで関係ない、今すぐ日下部に発射指示を出せ)
内なる悪魔がそう囁く
その声は蠱惑的でありながら、何とも言えない甘美な響きで、焦りと緊張で乾ききった心へ容易に溶け込んでいく
それでも、残された理性はそれを制す
仲間を助けるためにやって来たはずなのに、どうして仲間を殺すようなことが出来るだろうか
そう自分に言い聞かせて、心を揺さぶる妄言を振り払う
しかし、悪魔は囁くことを止めない
(やらなければ全員が死ぬ)
(これ以上はどうしようもなかった、必要な犠牲だったんだ)
敵の攻撃まで残された時間は僅か
その焦りが思考に霧を掛け、判断力を鈍らせる
いつ来るとも分からない終わりが選択の迫り、決断を急かす
見えない恐怖が、遂にヘッドフォンのマイクへと手を掛けさせようとしたとき、
「投錨部隊より入電!」
「甲板からの撤退が完了しました!」
小林が声高らかに甲板の部隊の撤退を知らせる
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