過去ログ - 少年「アメジストの世界、鯨と踊る」
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23:名無しNIPPER
2016/01/29(金) 23:15:09.59 ID:dRQ2OQlZ0
『姫!』

『お待ちしておりました!』

少女「みんな、お待たせ」ニコ

少年「……!!」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 

少年(これが鯨の……群れ……! 何て数だ、ニ十頭は居るぞ……)

少年(さ……さすがに圧巻だ……人間の小ささが身に染みる……)

少年(……!! 奥にすごくでかい個体がいる!?)

少年(その近くで動かない、白い個体は……少女の本体か)

長老クジラ『……少女よ、それが例の人間かい』

少女「うん、少年だよー」

少年「あ、ええと……少年です。初めまして」

長老クジラ『はいよ、初めまして。あたしがこの群れの長だよ』

少年「ねえ、どうして少女は姫って呼ばれてるの?」

子供クジラ『え、確かねえ……えっと』

父クジラ『姫は神の生まれ変わりなんだ。あの美しい純白の姿。あれこそが神の証』

父クジラ『歌を歌うのは、我々のような雄が、異性の関心を引くためにする行為だ』

長老クジラ『そうだよ、だけどあの子は仲間を呼ぶために、一人で歌い続けてたのさ』

長老クジラ『それが原因で、いつしか群れの衆は「白金の歌姫」なんて言い始めたんだよ』ケラケラ

少年「白銀の歌姫……」

少女「や、やだなあ。そんな大層な……」

長老クジラ『でも良かったね、あたしらが保護出来て。前の群れは悪魔の化身とか言ってたそうじゃないか』

父クジラ『とんでもないですね。全く……』

『そうだそうだ』『許せねえぜ!』『姫を傷つけるなんて……』

少年「……」

少年(少女は一人ぼっちだったんだ)

少年(僕と離れてからも……)

少年(この群れが無かったら……少女はまだ孤独の世界で息をしていたんだろうか?)

少年「……あの!」

長老クジラ『んん?』

少年「少女を受け入れてくれて……守ってくれて、本当にありがとうございます!」

少年「これからも少女をお願いします!!」ペコ

長老クジラ『ふふん……言っていた通りの人間だね。ビー玉みたいに透明な心だ』

長老クジラ『悪い奴に騙されちゃいけないよ?』

少年「はい!」

少女(ありがとう、少年)ニコ

少年「……え? 今何か言った?」

少女「ううん、何でも。今日は来てくれてありがとう。戻ろっか」

少年「うん、分かったよ」

長老クジラ『あんたも達者でね。ありがとうよ』

少年「はい……じゃあ、また……」

少年(あ……眠気が……視界がだんだん……)

少年(……)


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