22: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:26:38.34 ID:QvQsG1d2o
「あなたは失敗したのよ。それぞれが別の道に進めば、自ずと成長できるだろうとか思ってたんじゃない?」
「……そう、かもしれません。あなたの言うとおりに、私は」
穂乃果には私が必要なのだと思っていた。穂乃果に頼られることが嬉しかった。穂乃果を律することが私の役割だった。
そうでないと穂乃果は駄目になると思っていた。だからこそ、努めて大人であろうとした。
知っていたはずだ。穂乃果は一人でも生きていける。私がいなくとも、穂乃果は大人になれる。
なによりも近くで見ていたのだから。私が誰よりも知っていたはずなのに。
「辛気臭いのはやめにしましょ?」
不意に真姫が姿勢を崩す。ストローをくわえ、行儀悪く音を立てて飲み干す。
黒々とした液体が吸い込まれていく光景と、普段の真姫からは考えもつかない行動。
呆気に取られていると、鼻先にストローが突きつけられる。ぽたり、とコーヒーが落ちる。
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