5: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:15:46.01 ID:QvQsG1d2o
穂乃果と会うのは久しぶりのことだった。大学に入学してからというもの、高校の時のように毎日顔を会わせるということがなくなったのだ。
生活リズムが異なればそんなものだろう。家は近いが、わざわざ訪れることもない。それは私と穂乃果に限ったことではなく、ことりもそうだった。
それで私たちの関係性が変わったかといえば、そんなことは全然ない。
6: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:16:12.64 ID:QvQsG1d2o
「元気だった?」
「まぁ、そこそこです。穂乃果は……聞くまでもありませんね」
元気いっぱい。活力に溢れている。それだけはいつだって変わらない。
7: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:16:38.50 ID:QvQsG1d2o
一人暮らしを始めたとは聞いているが……大丈夫だろうか。
穂乃果は料理が下手というわけではないが、作るものが独創的過ぎる。いわゆるアレンジャーで、しかも気分屋。
まともなものができあがるときもあれば、酷いものを作る時もある。食べられないものを作らないのが救いか。
8: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:17:40.99 ID:QvQsG1d2o
スーパーは結構な人で賑わっている。いわゆる主婦と呼ばれる人々が買い物カゴを抱え、あるいはカートを押し品物を見定めている。
「んー、パスタにしよっか」
「パスタ、ですか」
9: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:18:14.30 ID:QvQsG1d2o
スーパーを巡りながら適当な話をする。
成績はどうだとか、早起きがどうだとか。案の定というか、思った通りというか、穂乃果の成績はあまりよくないらしい。
単位を落としさえしていないらしいが、結構ギリギリなものが多いのだとか。
10: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:19:22.17 ID:QvQsG1d2o
「美味しい」
「でしょー? 見直した?」
穂乃果の家。穂乃果は買ってきた食材を手早く調理し、いっていた通りにカルボナーラを作り上げた。
11: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:19:54.02 ID:QvQsG1d2o
「ご馳走様です」
「お粗末さまです。片付けてくるね」
「何から何まですみません」
12: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:20:24.75 ID:QvQsG1d2o
いったいどういうことだろう。
首を傾げていると、穂乃果が戻ってくる。
「ああ、それ?」
13: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:20:52.14 ID:QvQsG1d2o
詳しい話を聞く。
真姫の家出は、ひとまずのところ解決を見ているらしい。真姫が穂乃果の家にいるのは親元を離れて暮らす練習だとか。
……少しだけ、悔しい。
14: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:21:32.48 ID:QvQsG1d2o
「まぁ、真姫とあなたが納得しているのなら、私からいうことはありませんが……」
個人的なわだかまりはあるが、それは関係ない。
話を聞いている限りでは普通の生活をしているようだし、同居という点に目を瞑れば問題はないのだ。
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