過去ログ - 奴隷少女「私を、守って下さい…」執事「それが貴方の願いならば」
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3: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/12/14(月) 19:35:23.70 ID:4rPHk/l00
奴隷「はぁっ、はふっ……」

奴隷は伸びた草の中に身を潜め、ようやく体を休めることができた。
だが心は今だ休まらない。彼女を追う魔物は、すぐ側にいるのだから。

魔物A「チッ、見失ったか」

魔物B「まだ遠くには逃げていないはずだ! 探せ!」

奴隷「……」

口を抑え息を殺す。
心臓の音が彼らに聞こえないか、そんな心配をする程、心臓は大きく鳴っている。

魔物A「他の奴らと合流するか」

魔物B「あぁ。確か他の班には、足は遅いが鼻のいい奴がいたな」

奴隷(どうしよう……)

いくら気配を殺して身を潜めていても、匂いを消すことはできない。
もう自分はここまでなのか――不安と恐怖で涙が出てくる。

きっと逃亡は無駄なあがき。今の心境はまるで、死刑を待つ囚人。

奴隷(きっと、このまま捕まっちゃうのね……それならいっそ……)

自害でもした方がいいだろうか。
今、自害するとしたら――舌を噛み切るしかできないけど。

奴隷(怖い…けど…っ)

奴隷は上下の歯で舌を噛む。恐怖でなかなか力が入らない。
だけどこれから先に待っていることを想像すると――

奴隷(〜っ!)

目をギュッとつぶり、顎に力を入れた。



“――お待ちしておりました”

奴隷「!?」ビクッ

頭の中で響いた男の声に、見つかったと思って悲鳴をあげそうになった。




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