過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/01/08(金) 21:02:35.31 ID:JH8XbMho0
「いや、それが僕の仕事だからね?
むしろ彼女を死ぬ前に運んできてくれたことを、感謝しているよ?」
少年は曖昧に笑った。感謝など受け入れられない、とでも言いたいかのようだ。
医師は目を細めて、あの日――御坂美琴が運び込まれてきた日の彼の激情を、思う。
助けてください、と彼は言った。
任せろ、と彼は応えた。
彼の望みである、彼女の命は取り留めた。
確かに彼女の状態は際どかった。
大量出血に全身火傷。その上脇腹に鉄の棒まで刺さってるときた。
それでも御坂美琴は生きていた。生きているなら大丈夫だ。
冥土帰しの異名は伊達ではないのだから。
「一つ、言っておくことがあるね?」
あの少女に何が起こったのか。
一体彼と彼女の間に何があったのか、カエル顔の医者はまだ知らない。
彼の重圧の正体を、まだつかめてはいない。
それでも、彼にとって彼女の存在があまりにも大きすぎることくらいは、わかっている。
だから、信じて、打ち明けた。
「どうやら彼女、何も覚えていないみたいだね?」
「……え?」
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