過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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36:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:13:16.79 ID:JH8XbMho0

御坂美琴はベッドへ横たわっていた。
学園都市の技術は凄いと、今更ながらに実感した。
実感して、抑えがたい感激が奮い立つ。
仕方ないではないか。
虫の息すらあるかも怪しかった彼女が、こうして生きているんだから。

「あ、エツァリさん!
 ありがとう、私を運んできてくれたんでしょ?」

美琴は感謝の言葉と共に頭を下げた。と言っても、ベッドに横たわったままなので、軽く会釈する程度のものだったが。
笑顔だった。――とてもきれいな、優しい笑みだった。
あんなにも見たいと願っていた彼女の表情。
けれど今は、それを見るだけでこんなにも辛く感じるなんて、あまりにも理不尽だと思う。

「……分かっている。貴女が思い出さないなら、そっちの方が幸せだ」

エツァリは、苦悶に顔を顰めながら、そう絞り出した。
本当はこの笑顔を、守りたかったのだから。
どうしてこの手で再びその表情を捻りつぶさなければならないのか。
本当に、世界ってのは、残酷だ。

「自分だって、そうであって欲しいと思っている」



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