過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
1- 20
37:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:16:25.53 ID:JH8XbMho0

美琴にはエツァリの言っていることが分からないようで、きょとん、と首をかしげた。
そんな美琴に、エツァリは笑いかける。
それはきっと、仮面の笑顔にすら劣る出来栄えだっただろう。
継ぎ接ぎだらけの、ボロボロの笑み。
――それでもいい。
どうせ、今からもっとボロボロになるのは、彼女の方なのだから。
自分がどうなろうと、知ったことではない。

「今は脳の方が、防衛するために記憶を封じているでしょうね。
 一種の生存本能のようなものですか……」

彼女自身が忘却することを許すとは思えない。
だから、これは脳の勝手な判断で、そして恐らく、正しい判断だった。
でも、それでも――それは、正しいだけで。
余計、残酷なことではないのか。

あげて、そして――落とす。
それは、絶望の最も古典的で、かつ効果的な方法ではないのか。

だとしたら、もしかしたらこの忘却さえも、彼女が下した罰なのかもしれない。

本当に、貴女は――
どうしようもなく、救い難い。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
88Res/52.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice