1: ◆y7KoWCuA1M[saga]
2015/12/24(木) 05:08:38.09 ID:JyVC+3/SO
幸いにして、というべきか今年の冬は寒さも厳しくなかった。
この鎮守府でもコートにマフラー程度の装備で冬の空の星を楽しむことができた。
「静かだな。今夜はさすがに深海棲艦の活動もないとみえる」
空を見上げ、提督はひとり呟く。こんなご時世でも世間はクリスマスムードである。街では華やかな彩りが施され、家族や恋人で賑わっている。そうしていられるのも海軍ひいては鎮守府のおかげかな、と提督は少しだけ胸のうちで自賛してみる。
「この聖夜に一人ぼっちなんだ…俺達のおかげでクリスマスを過ごせるんだぜ、と息巻いてもいいよなぁ」
実際、沿岸部への襲撃は未然に防ぎ、住民への被害はほぼない。上陸を許した場合も提督自身が陸上で成敗し、深海棲艦たちに「陸上デノ対人間戦闘アナドルベカラズ」というムードが読み取れるほどだ。
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2: ◆y7KoWCuA1M[saga]
2015/12/24(木) 05:10:43.90 ID:JyVC+3/SO
「ま、敵さんも今夜ばかりは戦闘のことを忘れて竜宮城へ男でもひっぱりこんでいるのかな?向こうにも深海司令官とか深海男性とかいるのかね?」
沿岸はもちろん、海上も静かな状況をみて、提督はあまり上品ではない考えを浮かべた。
が、すぐに自分の立場を思い出し、そのような考えを忘れることにした。
3: ◆y7KoWCuA1M[saga]
2015/12/24(木) 05:12:36.33 ID:JyVC+3/SO
「まったく戦いを何だと思ってるんだ!いや決して独り身だからひがんでいるとかじゃなくてだなぁ…あ、でもサンタコスや晴着きたりするしなぁ。一体俺達は何と戦ってるんだよ!?」
誰に説明しているのか、声を荒げる提督。一人穏やかに星を眺めて心を落ち着けようとした当初の目的は失敗に終わりそうだ。ああ、一人淋しく夜空の下で暗い海を眺めて肉まんでも頬張るか、と思った矢先…
「提督じゃない?一人で何してるのよ?」
4:名無しNIPPER[saga]
2015/12/24(木) 05:13:59.74 ID:JyVC+3/SO
所属艦娘のうち、無邪気な駆逐艦は皆でクリスマスパーティ、年頃の巡洋艦以上は彼氏を作っていざ決戦!と盛り上がっていた。もりあがっていただけで決してサカッていたわけではないということを彼女らの名誉のために付け加えておく。
ともあれ飛鷹も、艦娘になって元豪華客船の記憶に引っ張られたのか、華やかなパーティドレスを着てウキウキしていたものだが…
「私は…そういうのはいいわよ…ほら!深海棲艦が攻めてくるかもしれないでしょ!」
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