過去ログ - 【艦これ】とあるクリスマスの出来事
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12: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:48:20.08 ID:G+8Xp46Qo
これに関して、間宮を責めるのは酷というものだ。
木曾たちの練度で考えれば、大破して帰投するなどという事態が起こりにくい海域なのだから。
13: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:48:52.56 ID:G+8Xp46Qo
天龍が言いたいのは、今自分のを半分やるから、明日お前のを半分よこせということだ。
そうすれば、互いに二度楽しめる。
14: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:49:24.86 ID:G+8Xp46Qo
実際、天龍が酒を口にするところなど、鎮守府内の誰も見たことがない。
だから、天龍は下戸なのだろうということになっていた。
15: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:50:00.16 ID:G+8Xp46Qo
戻ってきた天龍の手には日本酒の一升瓶と、湯のみが二つ。
すでに湯のみに注がれた酒は、レンジで軽く燗がされている。
16: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:51:08.33 ID:G+8Xp46Qo
事態は木曾の予想を見事に裏切り、かなり深刻なものになっていた。
天龍は飲めないわけではない。確かに飲まなかっただけだ。
17: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:51:38.61 ID:G+8Xp46Qo
「聞いてんのかって、おいぃ!」
バシバシと天龍が木曾の背中を叩く。
18: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:52:17.36 ID:G+8Xp46Qo
なにやらまた意味不明なことをつぶやき始めた天龍をよそに、木曾はフォークを使って器用にケーキを切り取り、口に運ぶ。
しかし、その手をがっしと天龍に押さえつけられてしまう。
19: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:52:53.25 ID:G+8Xp46Qo
天龍はさらに力説する。
「それにだ! この一番目立つ位置のイチゴってのは、形も色艶も上等なやつだ、当然味も最高なやつなんだぜ!?」
20: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:53:25.05 ID:G+8Xp46Qo
ケーキくらい好きに食べさせてほしい。それだけのことだ。
天龍の手を払いのけ、再びケーキを口に運ぶ。
21: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:54:12.08 ID:G+8Xp46Qo
相手は酔っ払いだ。怒ったところで意味などない。
静かに天龍のフォークを外し、今度こそはとケーキを運んでいく。
22: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:55:09.69 ID:G+8Xp46Qo
互いの目に闘志の炎がたぎる。
そして、二人の意地をかけた戦いが始まった。
23: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:55:47.06 ID:G+8Xp46Qo
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
現在 鎮守府演習場
24: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:56:20.21 ID:G+8Xp46Qo
鈍い金属音だけを残して、拳銃が宙を舞う。
ゴトリと地面に落ちた拳銃が暴発し、パチンという玩具のような破裂音を鳴らす。
25: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:56:57.04 ID:G+8Xp46Qo
さながらリングサイドに陣取るカメラマンのように、青葉のカメラから放たれるストロボが、余計に雰囲気を掻き立てている。
『来た来た来たー! 天龍の鋭い連撃に木曾は防戦一方だぁっ!』
26: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:57:27.07 ID:G+8Xp46Qo
もはや用意された脚本なぞ何処へやら。全編アドリブの展開になりつつあっても難なくこなす。
さすがアイドルを自称するだけのことはあった。
27: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:58:00.54 ID:G+8Xp46Qo
「いいんだよ。あのままにしておいても、変にくすぶったままだったからさ」
喧騒を離れ、かろうじて舞台が見える位置まで下がると、ポケットからタバコを取り出し火をつけた。
28: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:58:34.18 ID:G+8Xp46Qo
「いや、しなくて結構。ただ今回は邪魔も入らず思い切りやれるんだから、互いに納得した上で高みを目指して研鑽を積んでくれるだろ?」
そう言って、子供のようないたずらっぽい笑みを浮かべ、それにな、と続ける。
29: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 22:59:16.38 ID:G+8Xp46Qo
全員となれば、二百を超える数を用意しなければならないのだから。
多めに発注はしているとはいえ、そこまでの数はないはずだ。
30: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 23:00:08.51 ID:G+8Xp46Qo
抗議の声をさらりとすり抜けて妙高は厨房へ向かう。
「……ま、大丈夫だろ……多分」
31: ◆tF/D/g0jpg[sage saga]
2015/12/25(金) 23:01:25.33 ID:G+8Xp46Qo
再び駆け足で失礼致しました。
後ほどHTML化依頼を出しておきます。
32:名無しNIPPER[sage]
2015/12/26(土) 10:38:05.63 ID:J53O7OGGo
乙
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