24:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/05(火) 11:18:00.56 ID:vBFgfpMaO
「……ふぅ」
立ち上る湯気の中、僕は体を脱力させた。
お風呂がこんなに気持ち良いのは生まれて初めてかもしれない。
顔にばしゃばしゃとお湯を被るとまた小さく息を吐く。
25:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/05(火) 11:25:13.86 ID:vBFgfpMaO
走り疲れてもはや足取りすらふらふらになってしまった僕。
自転車を支えになんとか歩いて辿り着いたのがこの銭湯だった。
「わっ、銭湯だよ銭湯っ」
26:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/05(火) 11:47:29.35 ID:vBFgfpMaO
「……なんだ、お前ら」
閉店の札をしげしげと眺めていた僕らに銭湯の中からガラス越しに声が掛けられた。
先輩よりも背の小さい白髪の老人。
老人としてもかなり歳が進んでいる方であろう。
27:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/06(水) 00:00:49.23 ID:Z5pVxAxlo
「……」
僕は男湯と女湯を隔てる壁の方を見る。
この壁の向こう側に産まれたままの姿の先輩がいるわけだ。
なんてことを考えてしまったらもうダメだ。
28:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/06(水) 00:52:31.79 ID:Z5pVxAxlo
浴室から出ると、鈍い音を立てながら乾燥機が回っていた。
僕はタオルを腰に巻くと、その鈍い音の正面に座る。
先輩と一緒に旅へ出なければ一生経験することがなかったような経験。
「……勝手に洗わせてもらったが」
29:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/06(水) 01:40:39.50 ID:Z5pVxAxlo
体の疲労が大分解消された僕は脱衣所の前で先輩を待っていた。
先輩にとっては初体験の事ばかりだろうし色々心配なのだが。
だからと言ってここで女湯の脱衣所へ入って行くのもおかしな話だ。
悶々としながら僕は待つ。
30:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/06(水) 01:41:05.94 ID:Z5pVxAxlo
まだ続
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2016/01/06(水) 15:53:26.03 ID:TbBJsI5A0
乙
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2016/01/06(水) 22:21:25.02 ID:Z5pVxAxlo
「ありがとうございました」
僕はおじいさんに深々と頭を下げた。
もう動けないとまで思っていた体の疲労は大分解消されている。
その代わり逆にもう動きたくないと言う感情も湧いてきたが。
33:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/06(水) 22:43:04.15 ID:Z5pVxAxlo
「どうしてここまでしてくださるんですか」
ここで聞かない人の方が少ないのではなかろうか。
そんな風に自分に言い訳しながら僕は疑問を口にした。
34:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/06(水) 23:43:15.69 ID:Z5pVxAxlo
「夜になっても涼しくはならないねー」
「お風呂に入った直後なのもあるかもしれません」
「あ、そっかぁ」
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