過去ログ - この世の果てへと至る旅路
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7:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 19:24:30.66 ID:2n7j/CLko
「あー、おいしかった」

 先輩はアイスを舐め終わるまでに5、6回ほどおいしいを口にした。
 決して、このアイスが特別おいしいわけではないと思う。
 名残惜しそうにアイスの棒を舐める先輩。
 小動物みたいで可愛い。

「さて、そろそろ行こっか」

「了解です」

 荷台に先輩が座ったのを確認して、僕はペダルを漕ぎ出す。
 自分でもどこへ向かおうとしているのか、分からない。
 先輩に聞いてもきっと明確に答えてはくれない気がする。
 悪意ではなく、先輩も答えが分からないからだろうけれど。

「このまま行くとどこに出る?」

 商店街を抜けた辺りで、先輩が聞いていた。

「多分海……ですね」
 
 この辺からはあまり出たことがないので、僕の返答も曖昧になる。
 間違っていても咎められることはないだろうが。

「海……か。いいね、海」

 先輩の一言に僕はペダルに込める力を少し強めた。
 急ぐ必要があるかは分からなかったが、答えあわせは早い方がいいだろう。
 


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