6:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:01:44.03 ID:bauBs7zr0
「どうしてここに」
「ねぇ、ホンモノ?」
「ほ、ほんものとは」
7:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:02:58.61 ID:bauBs7zr0
「ねぇ、さわっても良い?」
そう訊くなり、少女は艶やかな黒い髪を揺らして、勝手にわたくしの身体を触り始めました。
「い、いけませ」
8:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:03:24.08 ID:bauBs7zr0
「おそろしくないのですか」
わたくしがおかしいのでしょうか。
そもそも人間と触れ合うこと自体が、有り得ないというのに。
本当に、有り得ない、有り得ないと思いまして。
9:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:03:53.80 ID:bauBs7zr0
少女の名前は『がなはひびき』。
この島の住人だそうです。
どうして此処に来られたのかは、自分でもわからない、とのこと。
穴をくぐって、さらにくぐって、それでもくぐり抜けたら、たどり着いたそうです。
10:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:04:25.11 ID:bauBs7zr0
「わたくしはつねにけだか、……はて?」
「おなかすいたの?」
「ちがいます」
11:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:04:57.43 ID:bauBs7zr0
いつの間にか背中に跨がっているひびきに、わたくしは訊ねます。
「ひびき」
「うん」
12:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:05:30.05 ID:bauBs7zr0
見かけに似合う軽快な身のこなしでわたくしの背中から降りると、どこか誇らしげに胸を張り、ひびきは続けました。
「自分、どうぶつのいうことわかるからね」
「なんと」
13:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:05:59.24 ID:bauBs7zr0
「あんまーも『えー、ほんとにー? すごーい』って」
「いや、それは」
彼女は更に平たい胸を突き出す様にしながら、口元をにやつかせています。
14:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:06:31.39 ID:bauBs7zr0
突然の出会いから月日は経ち、そしてあれから毎日の様に、響はやって来るのでした。
『我那覇響』とふらふらした文字で書かれた紙を、嬉しそうに見せてくれた日。
学校でケンカした、と大粒の涙を零しながら駆け込んできた日。
15:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:07:15.50 ID:bauBs7zr0
「おーい」
今日は学校が無い日と言っていましたからね。
最近よく見る制服とやらではなく、響らしい軽い見た目の格好でやってきました。
16:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:07:48.51 ID:bauBs7zr0
「いえ」
「嘘だ」
「なにゆえ」
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