過去ログ - ちなつ「ときどき366日」
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109: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 13:20:48.34 ID:ZBSd0e9l0
***

帰る頃にはもう空が薄暗くなり始めていた。
結衣先輩と別れる道に差し掛かった時、ちょうど街灯が点いた。
それをぼんやり見上げる私に、結衣先輩が声をかける。
以下略



110: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 13:27:02.73 ID:ZBSd0e9l0
あかりちゃんは今なら先輩に告白できると言いたかったんだと思うけれど、
昨日までの私のシミュレーションでは京子先輩も一緒に帰ると思っていたから、結衣先輩が家に帰ってからお邪魔するつもりだった。
先輩達をつけていって、もし京子先輩が大人しく自分の家に帰ったらそのまま私は結衣先輩の家に行き、
京子先輩が結衣先輩の家に行ったとしたらあかりちゃんに京子先輩をおびき出してもらうのが今日の計画。
万全を期して京子先輩が居なくても計画は変えずにいくことにした。
以下略



111: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 14:03:27.22 ID:ZBSd0e9l0
結衣先輩の後をつけながら、先輩のアパートの近くまで来た。
物陰に隠れて様子をうかがう。


あかり「結衣ちゃん1人みたいだけど」
以下略



112: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 14:03:54.62 ID:ZBSd0e9l0
あかり「あっ、京子ちゃんから返信来たよ。今は家にいるって」

ちなつ「これで間違いないわね」

あかり「行くの?」
以下略



113: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 14:04:43.68 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「あかりちゃん、ありがとう」

あかり「えっ?」

ちなつ「なんかいっぱい振り回しちゃったかな、って思って」
以下略



114: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 14:05:12.15 ID:ZBSd0e9l0
あかり「えへへ、今日言わないと忘れちゃうんだもんね」

ちなつ「あかりちゃん……」

あかり「ちなつちゃんと仲良くなれて、あかり、すっごく嬉しいんだ」
以下略



115: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 14:47:52.89 ID:ZBSd0e9l0
***

結衣先輩の部屋の前に立ち、チャイムに手を伸ばした。
胸に手を当てると、心臓の鼓動を感じた。いつだって先輩の部屋のチャイムを鳴らすときはドキドキする。
チャイムの音が鳴りインターホンのランプが付いてから、結衣先輩が出るまでの数秒間。
以下略



116: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 14:55:02.44 ID:ZBSd0e9l0
まだ胸のドキドキは治まりそうになかった。
この1年で生まれた思い出をひとつずつ思い出す。
結衣先輩に出会った時のこと。守ってあげる、って言われたときは、本当に王子様に出会ったような感じがした。
七夕のときに、おでこにキスしてもらったこともあった。あのときも今と同じくらい抱きドキドキしてたかも。
私と結衣先輩が出てくる紙芝居を作ったこともあったっけ。自信作だったし、結衣先輩も誉めてくれた。
以下略



117: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 15:00:24.45 ID:ZBSd0e9l0
握っていたお守りから手を放す。その中に、少し土で汚れたものを見つけた。
これがきっと、あのときの。
表を向けて、私は目を見開いた。そこに書かれているのは「恋愛成就」ではなかったから。
同じピンク色だったし、全部一緒なのかと思っていたけれど……
私の思い出を紡いでくれたそのお守りに刺繍された「良縁成就」は、多分何度繰り返しても叶うはず。
以下略



118: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/12/30(水) 15:02:09.37 ID:ZBSd0e9l0
***

私が先輩のアパートのエントランスからでてくると、白い息を弾ませながらあかりちゃんが駆け寄ってきた。


以下略



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