30: ◆c4DUj3OH/.[sage]
2016/03/02(水) 13:46:01.24 ID:1NgH7uH8O
武蔵「やれやれ、だな」
ふと、武蔵は昨日のやりとりを思い出す。
提督「武蔵。お前に重要な任務がある」
そう言って提督に呼び出されたときには、艦隊決戦かと気を引き締めたものだ。
しかし、いざ話を聞いてみれば、任務は輸送船団の護衛だという。
武蔵「……私が護衛……?」
怪訝な表情を浮かべながらの問いかけとなった。
幾ら人型になったとはいえ、大和級戦艦。
それを動かすにはそれなりの燃料が必要となる。
場合によっては、輸送した燃料を武蔵1人で消費し切るということにもなりかねない。
提督「なんだ、不服か?」
先の疑問もあるが、加えて提督の言う不満がなかったわけではない。
戦艦に生まれた以上、主砲を撃ち合うことこそ、その本懐と思う気持ちが武蔵にもあった。
武蔵「いや、そういうわけではないが……」
だが、軍人である以上、命令は絶対。
故に武蔵はこう答えた。
提督「まぁ、いい」
おそらく武蔵に不満があることは提督にもわかったであろう。
表情に出ていたかもしれない。
だが、武蔵がそれを口にしないのであれば、提督にもこれ以上咎める気はなかった。
提督「これは大本営から直々に来た命令だ」
武蔵「大本営直々に?」
提督「そうだ。なんでも、よほど貴重な物を運びたいらしい」
提督は、紙巻に火をつけながら続けた。
提督「中身が何かは俺も知らん。とにかく貴重なものであるらしいから、間違いの無いようにとのお達しだ」
提督もどこか不貞腐れたような表情を纏っていた。
提督の口から吐き出された煙が室内に広がる。
提督「そういうわけで、お前にも護衛に加わってもらいたい。というか、今回の旗艦を任せたい」
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