9: ◆c4DUj3OH/.[sage]
2015/12/31(木) 12:14:36.72 ID:YFxFRnZkO
赤城「ようこそいらっしゃいました、提督」
赤城はそう言ってわずかに微笑んだ。
人口も50人ほどしかいない、なんとも長閑な島である。
提督「出迎えご苦労」
そう言って俺は答礼を返す。
赤城「船旅は如何でしたか?」
前任の提督が“名誉の戦死を遂げた”ため、俺がその後任に選ばれた。
しかし“戦死”というのは表向きの理由で、どうやら事実は事故死であったらしい。
真相はわからないが、何かに取り憑かれたかのように突然走り出したかと思えば、石を抱えたまま海へと飛び込み、そのまま海中から上がってくることはなかったそうだ。
提督「まぁ、船は好きだからな。楽しかったよ」
俺は先の赤城の問いにそう答えた。
赤城は前任の提督が海に飛び込む瞬間を見ていたそうだ。
もっとも、見ていたのは赤城だけではない。
他にも何人かの艦娘。そして、島の住人も何人かその瞬間を目撃している。
全員の証言に矛盾する点は無く、戦場特有の環境によって精神を患ったもの。事件性は皆無。
それが海軍の総意であった。
赤城「提督もお気をつけくださいね?」
赤城にそう言われるまでは、俺もそう思っていた。
提督「気をつける? いったい何にだ?」
赤城「非常に申し上げにくいのですが……」
赤城はそう言って目を伏せた。
赤城「この島には、亡霊がいます」
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