過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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1: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/01/01(金) 06:13:25.09 ID:LlP1D8Wk0
※春紀「暗殺者」の続きです。ex14.vip2ch.com
春紀「じゃあ、行ってくるな」
冬香「うん、行ってらっしゃいお姉ちゃん」
年明けの騒がしい空気も終わり、各々が通勤・通学していく世間の中。
一連の事件から一か月が経った寒河江家は、一先ずの落ち着きを見せていた。
記憶を失ったニオを"抱える"と決めたアタシの決断は、あの後面会に来た犬飼恵介や百合目一にも話した。
片や呆れたように肩を竦め、最後は背中を押し。
片や複雑な表情を浮かべ、『愚か者』を横目で眺め、静かに去って行った。
あれからもう一か月も経ったという事実に、未だに慣れないのはアタシ自信だ。
春紀「………」
ニオ「大丈夫、ですか? ぼーっとしてますよ?」
ふと隣からニオが顔を覗き込むようにして声をかけてきた。
待っていた筈の信号は青になり、周囲の人々が交差点を渡り続けていく中、やっと意識の帰ってきたアタシは苦笑いをしながら後ろ髪を掻いた。
春紀「あぁ、大丈夫大丈夫。ちょっと考え事しててさ」
ニオ「考え事、ですか」
春紀「恵介さんと、理事長の事でね。」
ニオ「やっぱり、直接会うべきでしょうか」
春紀「いや、それはやめておこう。多分……(どっちも、"走り鳰"を赦しはしない)」
ニオには、直接二人に顔を合わせない様に調整してもらっている。
事件の経緯や理事長とどういう関係なのかという事は話だけはしたものの、流石に会わせるのには躊躇いがある。
………それでも、いずれは決着をつけなきゃいけない時は来るだろうな。
春紀「っと、ごめんごめん。仕事遅れちまうな」
ニオ「ふふ、しっかりしてくださいね?春紀さん。ぼっとしすぎですよ」
だけど、今のこの日常に満足しているのは事実だ。
全てを忘れてしまったニオには、走り鳰の面影は殆ど見受けられない。
それどころか、家族の一員の様な優しい存在になっている。
面倒見の良いお姉さん、といったところだろうか。
ガサツなアタシと違って細かいところにも目を配るし、実際デリケートな幼い妹や弟の扱い方はとても上手い。
アタシは、姉妹達が屈託のない笑顔を見せた時、ニオを引き取って良かったと思った。
この時までは、そう確かに思えた。
アタシは、何時までも弱い存在だと気付かされる時までは。
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