過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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22: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/02/04(木) 19:36:46.84 ID:W6bwnUuP0
※兎角
晴『私は、兎角さんに行って欲しい。春紀さんを、助けてほしい』
あんな事を言われたら、私は動かざるを得ない。
もうこれ以上晴を血に塗れたこちら側へと引き込む訳にはいかないと、長々と説得した末の言葉がこれだ。
正直、イカれてる。私は純粋にそう思った。
でも、晴は全身に新たな傷を負ったとしても、そしてその原因が寒河江や走りにあると知っていてそう言った。
………それは優しさなんかじゃない。一つの"呪い"だ。
殺せない呪いが、少し前の私にはあった。それは長々と私を苦しめ、それでも晴を守る為にその呪いを解くことが出来た。
あの時も、晴の姿は目の前に浮かんでいた。
兎角「(……私も、イカれたんだろうな)」
視線の先―――――――――病院の正面口から、零れる涙を拭いながら覚束ない足取りでこちらへと歩く少女を見やり思った。
ニオ「ごめんなさい、ごめんなさいっ春紀さんっ……」
兎角「……お前が決めた道だろ。今更泣くな」
グズグズと鼻を鳴らしながら俯くニオを見ながら、私は彼女を"走り鳰"の姿を消し去った。
私の知る走り鳰という女は、こんな風に誰かの為に涙を流す様な優しい心を持った存在でない事を知っている。
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