過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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37: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/02/13(土) 07:59:35.20 ID:l5D8WiH20



 ニオ「……見つかっちゃったんですね。」


兎角と別れた後、ホテルへ向かう道の途中で、人混みの中に見覚えのある黒衣を纏った女を見つけた。

少しだけ考え、そのまま脇にあった路地裏へと入り、ある程度進んだところで振り返る。

狂気を湛えた笑みは、それだけで寒気を感じる。握り締めた右拳がふるふると震える。


 真昼「めんどくせェ"保護者"のせいで中々近寄れなかったがなァ。ようやく一人になりやがって………ヒヒ」

 ニオ「……春紀さんは、左目が見えなくなりました」

 真昼「そりゃああんだけ舐め回せばそうなるなぁ〜」

 ニオ「私の過去が春紀さんを傷付けてしまった。だから、私は私の責任を取ります」

 真昼「つまり?」

 ニオ「あなたを此処で止めて見せる」

 真昼「ヒッ……やってみろよ!!」


フードを脱ぎ、現れた素顔は――――――粘ついた笑みを浮かべ、バサバサと乱雑な銀髪を一つに束ねた番場真昼。

ずっと、大切な"彼女"が消えてしまったあの日から、番場真夜を演じ続けている道化師。

懐から引き抜いたくぎ抜きを手に、兎角から借り受けた模擬ナイフを構えるニオに肉薄する。


 ニオ「ッ、貴女は……こんな事をする為に、"英純恋子さん"に生かされた訳じゃないはずです!!」

 真昼「テメェがアイツの名前を呼ぶんじゃねェ、屑野郎が!!」


振りぬかれた鉄を、身を反らす事で避け、ナイフで真昼の脇腹を切り払う。

すんでのところでナイフを裂け、身を捻ったまま、反対側の左肘をニオの胸元へと突き出す。

思わず片手で受け止め……きれず、そのまま勢いを殺す為に地面を滑って行く。


 ニオ「ぐっ……」

 真昼「テメェだけはギリギリまで苦しませてから殺してやる」


だが、ただのうのうとこの一週間を過ごしてきた訳ではない。

滑らせていた両足を一気に半歩引き、軸を移動させて正面から力で押してくる真昼の勢いを利用し、背負い投げの如く横回転させる。

左半身ごと地面に叩き付けられた真昼は、しかし受け身を取っていた為にすぐに起き上がり、そのままニオの背中を思い切り蹴り飛ばす。

あまりにも、復帰が早い。

 


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