過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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81: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/07/19(火) 13:52:37.17 ID:1l3ra7v+0


今の真昼の動きはあまりにも無茶苦茶で、それら全てが力任せに動いている。

最初の鉈の大振りをあまり体に負担をかけないように最小限の動きで回避した鳰は、返す刀の様に転がっていた石を投げつける。

振り切っていた動きのまま飛来した石を、真昼はぼんやりとした表情のまま受け止める動作もせずに顔面で受けた。

頬に切り傷を作りながらも、まるで動じていない真昼は


 真夜?「ひひひひひひひ。あァ、すみれこ。オレはやっと、お前の"魂"を救えるんだァ」


それまでの緩慢な動きから一辺、常軌を逸脱した速度で、走り抜けるというよりは飛びついてきたと言って良い真昼の動きに、鳰は反応が遅れた。

ただでさえ夜で辺りが見え辛いこの状況では、鉈の僅かな光を頼りに動くしかない。

その状況下で、


 鳰「ごぶッ、おっ……」

 真昼?「肉が、オレの手が肉を抉る。ひひ、ひひひひひひひひ!!! 抉る抉る抉る抉る!!!」


死角から放たれた拳が鳰の鳩尾に叩き込まれ、その強烈な衝撃に思わず肺から空気が溢れ出す。

反射的に零れた涙をぐっとこらえ、歯を食いしばってなんとか身体を回転させ、至近距離に居る真昼に裏拳を放つ。

延髄、首元の神経を狙って放たれた神経打は、確かに真昼の首へと当たった。


当たった上で、真昼は鳩尾のダメージに顔を歪ませた鳰の顔面を掴み、一気に地面へと叩き付けた。


 鳰「っ、あぐッ!!」

 真昼「マッサージ、マッサージと変わらねぇ……気持ちいいなァ。すみれこ、気持ちいいなァ」


確かに意識を奪える様な角度と力で放ったはずなのに、全くと言っていい程ダメージは入っていない。

もはや、今の彼女には感覚すらも、痛みすらも感じられないのか。

必死に両手で顔面を掴んだ手を引き剥がそうと抵抗していても、その万力の様な腕は全く動かせない。


 鳰「あっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 真昼「こり、こり。こり、こり」


真昼の指が、鳰の両目を瞼の上から擦る。

その行為に本能的な恐怖と寒気を覚えた鳰は、なんとか腕を剥がせはしないか、全力で思考する。





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