過去ログ - 黒髪少女「武器の手入れをお願いします」単眼少女「……」
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34: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2016/01/11(月) 02:20:53.64 ID:X2ffE8rP0
……

かつて、まだ若かった頃の彼は、偶然街に来ていた魔物娘を騙してやろうと近づいた

それは、婿探しに来ていた一人のサイクロプスだった

自分は名高き剣士だと大ウソをつき彼女に近づき、散々彼女に武器を作らせ貢がせていたそうだ

その武器は市場を回り、やがて街のあらゆる場所で見かけるようになるが、サイクロプスの彼女がそれに気が付かない訳がなかった

それでも、彼女は一重に彼の為に剣を造り続けた

何本も、何十本も……彼の為だけに槌を打ち続けた

しかしある日、彼女が突然彼にこう言ってきたのだ


「……最高の一振りを、貴方の為に創りたい」


何かを決意したようなその真剣な眼に、思わず彼も同意してしまった

そして、ドラゴンの棲む山に特殊鋼があると聞き、彼女はそれを手に入れる為に旅立って行った

……だが、数日経っても彼女は帰ってこなかった

彼は死んでしまったか、あるいは見切りをつけられて体のいい別れ話をされた程度に思い、彼女を探しもしなかった

……心のどこかに穴が開いているという事にも気が付かず

数か月経ったある日、手紙と共に大きな箱が彼の家に届けられた

それは、共に過ごしたあのサイクロプスからのものだった




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