過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」2
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18: ◆JzBFpWM762[saga]
2016/01/17(日) 14:54:50.90 ID:CE5MZioLO
「ああもうっ! おかしいでしょこれ!! 着ぐるみ着てやる作業じゃないよこれ!」

ネリーが、座り込んでいた姿勢から勢いよく立ち上がり、我慢ならない、といった具合に騒ぐ。立ち上がった瞬間に手にしたものを床に叩きつける。本当なら心底そうしてやりたいのだという、苛立ちやら鬱憤が伝わってくる態度だった。

「ま、まあまあ、そうおっしゃらず。慣れですよこういうのは」

ネリーの気分をおもねるような言葉を投げかけるのはアフロ頭の人。あの中年男性だ。

「そんなこというなら自分でやってみなよ!」

「い、いや私は事業主ですから……」

このやりとり、何度目だろう。ネリーと同じく作業に従事していた咲は一旦手を止めて行方を見守る。

全く同じやりとりが繰り返されているわけではないが、似たようなものだ。ものすごく、平行線。

平行という概念に程度などなさそうだが、そう言いたくなるくらい、不毛なのだ。

「ならせめて着ぐるみ脱がせてよ!」

「それが大事なんですよう」

「なんですよう、じゃないよ! 猫なで声だすな!」

「うっ……」

着ぐるみのアヒルと、アフロの男が口論を繰り広げるさまは何というか、滑稽な絵面だ。

咲も、できる事なら着ぐるみを脱ぎたい。咲は猫だ。名前はタマ。

「でもそれ着てやってもらわない事には……」

「……この変態」

ネリーが、おそらく蔑んだ目でアフロを見やる。まるで、男ではなくアフロに罪があるかのような言い草だ。ネリーの視線はアフロを捉えて離さない。


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