過去ログ - 唯「澪ちゃんが宇宙との交信を始めました」
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31:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:44:21.43 ID:lpxsQJzD0
「ごめん」

さっきよりも大きく、はっきりした声でりっちゃんが言います。
それでも澪ちゃんはわたし達のほうを見ることなく、一心不乱にラジカセを見つめてつまみをいじっています。



32:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:44:52.76 ID:lpxsQJzD0
「澪ちゃん」

ムギちゃんが呼びかけました。
澪ちゃんは振り向きません。



33:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:45:21.21 ID:lpxsQJzD0
「澪先輩」

あずにゃんが声をかけました。
澪ちゃんはラジカセを見つめてブツブツ呟いています。



34:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:45:56.68 ID:lpxsQJzD0
「澪ちゃん」

わたしが呼んでも、澪ちゃんには聞こえていないようでした。



35:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:46:49.86 ID:lpxsQJzD0
「みお!!」

りっちゃんが大声で叫びました。
今まで聞いたこともないような大声が部屋中に反響して、思わずビクッと身体が跳ねました。
それは澪ちゃんも同じだったみたいで、ようやくラジカセから視線を外し、おずおずとこちらを向きました。
以下略



36:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:47:34.52 ID:lpxsQJzD0
りっちゃんは、大声とは反対にちっとも怒っているようには見えず、
潤んだ瞳で澪ちゃんをじっと見つめていました。

「…みお。ごめんな。悪いけどわたしは何にも聞こえない。たぶんみんなも一緒だ。
 だからもうやめようぜ。みんな心配してるんだ。もういいだろ? 戻ってこいよ。澪がいないとさみしいんだよ。
以下略



37:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:48:15.35 ID:lpxsQJzD0


 澪にとって、宇宙とか地球とかイルカとか…大事だってのはわかる。わかる…、けどさ。
 わたし達のことは…大事じゃ、ねーのかよ…。わたしは、みおが…、だいじなんだよ…。
 まえ…みたいに、お茶、飲んだり…ふざけてあそんだり…えんそう、したりしたいんだよ。
以下略



38:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:48:44.85 ID:lpxsQJzD0
「ごめん」

澪ちゃんの口から出たのは、さっきのりっちゃんと同じ言葉。
ようやくわかってくれたのか、とホッと胸をなでおろした瞬間、

以下略



39:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:49:22.40 ID:lpxsQJzD0
「あっ、ちょ、りっちゃん!」
「律先輩っ!」
「りっちゃん待って!」

叫びながら飛び出したりっちゃん、
以下略



40:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:49:55.06 ID:lpxsQJzD0
ジー、という耳ざわりなだけの雑音が響く中、澪ちゃんがわたしに振り向きました。
その顔は笑っているわけでも泣いているわけでもなく、きっと最初からわかっていたのかもしれません、
なにも言わず目を伏せるとラジカセのスイッチを切りました。



41:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/14(木) 21:50:30.92 ID:lpxsQJzD0
音が止み、しん、と静まり返った部室はいつもとまるで違う空間みたいに思えて、
澪ちゃんのいる“宇宙”ってこういうところなのかな?
…と思いましたが、全然違うかもしれません。わかりません。

澪ちゃんの宇宙は、澪ちゃんの中にしかない。
以下略



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