過去ログ - 京太郎「なんてことはない大学生活」
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20: ◆LEr1qHwPyN4O[saga]
2016/01/18(月) 22:57:16.98 ID:bsIZdEwzo
教授の眠たくなる声色に耐えながら、サラサラとノートに授業内容を書き写していく。
いま受けている講義はなかなかに難解ではあるがやりがいはある。
ちらりと隣を見てみれば新子も真面目にノートをとっていた。
俺も新子も、授業は真面目に受けるタイプである。
特に会話を挟むこともなく、ただ黙々と、ペンを走らせる。
む、飴がなくなった。
「んむ……」
口寂しいな、仄かに広がるリンゴ味が恋しい。
俺は無意識のうちに傍のカバンの中を片手で漁り、常備してあるものを手探る。
あった。
封こそ切られているものの、まだまだ数のあるミントのガム、お口の恋人だ。
この講師は眠気覚ましのガムならアリ、と明言しているし遠慮はいらないだろう。
包み紙を解き、口へと運ぶ。
うん、うまいうまい、音は立てないようにしなきゃな。
さて、改めてノートを……
……
視界の端で、チョイチョイと指が動いている。
目だけでそれを見ると、新子が俺の方に人差し指でサインを送ってきていた。
やれやれ、さすがにこれを察せないほど鈍くはない、飴の礼といったところだろうか。
もう一個取り出し、テーブルの下から差し出すと、見事にさっと回収された。
全く手際がいい。
その講義中は2人揃って、ガムを噛みっぱなしで受けることになった。
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