過去ログ - 渋谷凛「Pが付き合ってくれない」
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1: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:32:19.35 ID:JnabhDt30
「...ずっと好きでした。好きです。付き合ってください」
私は最高の偶像、シンデレラガールという称号を手にした夜、自らのプロデューサーを呼び出しこう告げた。
「...ごめんな」
そう言って笑った彼の顔はとても笑顔と呼べるものではなかった。
期待していた答えとは正反対のものである。しかし、予想通りでもあった。
なんで。貴方は私に惚れたから私をアイドルにしたんでしょう?
どうして。それを両想いと呼ぶんじゃなかったの?
「...凛の気持ちは嬉しい。でも俺は応えられない。応えちゃいけない」
言っている意味が分からない。
「凛が俺に抱く気持ちは病気みたいなものだからだよ」
聞きたくない。
「それは一過性の気の迷いで。単純に一緒に過ごした時間が長いからそう思ってるだけなんだ」
恋ってそういうものでしょ?
「凛はこんな非日常的な世界にいるからこそ、普通の幸せを掴まなきゃいけない」
普通って何?幸せって何?
「学生らしい恋をして同じくらいの年の男と普通の青春を送るべきだ」
そんなの私の勝手じゃん。
「学生としての楽しみは学生の時にしか楽しめないから。後悔してほしくないんだ」
学生は大人に恋をしちゃいけないの?子供だから?
「...家まで送るよ」
それ以上は私も何も言わなかった。言えなかった。
いつもは助手席に乗るのに今日は後ろに乗った。車内での会話はなかった。
「それじゃ、また明日」
私が車から下りると彼はそう告げてすぐに走り去ってしまった。
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2: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:34:05.10 ID:JnabhDt30
***
家に入ると両親とハナコが待ち構えており、クラッカーを浴びせられる。
3: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:35:01.93 ID:JnabhDt30
***
精神的にも身体的にも疲れていた私は泥のように眠った。
4: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:36:03.06 ID:JnabhDt30
***
それからというものは私の予想通り多忙を極めた。
5: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:37:32.35 ID:JnabhDt30
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6: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:38:52.67 ID:JnabhDt30
レストランに着き彼が名乗ると店員さんが窓の近くの席へと案内してくれた。
所謂夜景の見える特等席というやつだ。
7: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:40:43.12 ID:JnabhDt30
***
夜道をてくてくと二人して歩く。会話は時折、他愛もないものを一言二言交わす程度。
8: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:41:51.94 ID:JnabhDt30
「今入ってる仕事を終わらせて引退宣言をしてちゃんと引退ライブっていう段取りは踏んでくれよ」
「分かってるよ。中途半端は私も嫌だから」
9: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:42:50.13 ID:JnabhDt30
「ねぇ、プロデューサー。今年の春に私が言ったこと覚えてる?」
「ああ」
「もう一回言ったら怒るかな」
10: ◆a/CmvfV8ng[saga]
2016/01/20(水) 01:43:59.66 ID:JnabhDt30
「何か言ってくれてもいいでしょ?」
「ごめんな」
「謝らないでよ。何でか聞かせてもらえないかな」
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