過去ログ - 堀裕子「テレパシー/オーバードライブ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:48:01.61 ID:HEp8ghkH0
エスパー美少女ユッコがスプーンを曲げたり曲げなかったりするやつです。

短編
地の文

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:48:41.99 ID:HEp8ghkH0

 プロデューサーは私の手を握ったまま、貸しスタジオから逃げ出した。

 今日はたしか、有名なカメラマンのお弟子さんが撮ってくれるって話だったのに。

以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:49:46.76 ID:HEp8ghkH0

「ぷっ、プロデューサー、痛い、痛いですっ!」

「あぁっ! ごめん裕子……」

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/01/21(木) 19:50:26.68 ID:HEp8ghkH0

 プロデューサーは二、三度深呼吸して、私に説明してくれる。

 確証はないけれど、あのひとは弟子を騙ったセクハラ目的の人ということ。

以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:50:55.49 ID:HEp8ghkH0




 近くにあったカフェに入った。
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:51:29.95 ID:HEp8ghkH0

 いつもは人懐っこい笑顔をした、近所のお兄さんのようなひと。
 事務所の大人たちからはからかわれて、小さい子からは慕われる、そんなひとだ。

 こちらになります、と目の前に店員さんの腕が見えたとき、私は少しだけびっくりした。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:52:38.19 ID:HEp8ghkH0

 会話がなくなってしまって、古びた時計がチクチク鳴るのが聞こえる。

「ほら、ミルフィーユ! すっごく美味しそうですね!」

以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:53:32.88 ID:HEp8ghkH0

 わぁ、やっと笑った。

 プロデューサーの人好きのする笑顔は、私がアイドルになる原動力。

以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:54:26.90 ID:HEp8ghkH0





以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:55:36.27 ID:HEp8ghkH0

 話を聞けば、どうやら弟子というのは本当だったみたい。

 業界でもまだ名が広まってない、ポッと出の悪いヤツということだった。
 まだ業界に入って日が浅いプロデューサーはもちろん、事務所のみんなが気づけないくらいに。
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/01/21(木) 19:56:38.34 ID:HEp8ghkH0

「向こうも殴られたままじゃ終われないからね」

 俺たちも頑張るけど。そう先輩さんは付け加えると、プロデューサーは頭を下げた。

以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:57:09.57 ID:HEp8ghkH0


「きゃあ!」



13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:57:44.56 ID:HEp8ghkH0

 プロデューサーの背中に隠れて、スーツをぐっと握りしめる。
 心臓がバクバクしている。

 私は、どうして、あんなに叫んだんだろう。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:58:32.79 ID:HEp8ghkH0

「裕子、やっぱり……」

 そうプロデューサーは呟いて、優しく私の髪を撫でた。

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/01/21(木) 19:59:09.96 ID:HEp8ghkH0



 寮には帰りたくなかった。一人になるのがなんだか嫌だったから。

以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 19:59:57.24 ID:HEp8ghkH0

 高速道路を走っていれば、ひゅんひゅんと光が流れていく。
 空はよく晴れていて、少し欠けた月が私たちを追いかけてくる。

 神秘的に見えて、私は追い抜いた光を一つずつ数えた。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/01/21(木) 20:00:38.59 ID:HEp8ghkH0



 それから、夢を見た。

以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 20:01:21.71 ID:HEp8ghkH0

 裕子、と呼ばれた気がして目を覚ました。

 目の前にはコンビニの袋が落ちていて、そこからミネラルウォーターを取り出して飲む。

以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/21(木) 20:02:56.10 ID:HEp8ghkH0

 あれれ、じゃああの声はなんだったんだろう。確かに呼ばれたはずなのに。

「テレパシーだったりして」

以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/01/21(木) 20:03:36.96 ID:HEp8ghkH0

「もうすぐ朝日が見えるよ」

「もっと早く上がってこないですかね? さいきっくぅ、太陽早く登れー!」

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/01/21(木) 20:05:34.39 ID:HEp8ghkH0

 少しだけあの手を思い出して、それでもかぶりを振る。
 いつも明るくて、さいきっく美少女の私を思い出したかった。

 いつもそれを見て微笑む彼のためにも。
以下略



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