過去ログ - 【艦これ】鳳翔さんは料理ができない
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2016/02/13(土) 09:12:31.17 ID:oz5uzikOo
 「なあ、鳳翔よ」 
  
 「……んぅ」 
  
 彼女はすっかり寝静まってしまった。 
132:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:16:49.09 ID:oz5uzikOo
 「では、全てが終わった後ならば、私を幸せにしてくれますか」 
  
 耳元に直接囁き掛ける声が届いた。 
 慌ててそちらを見ると、鳳翔は瞼を閉じていた。 
  
133:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:20:32.96 ID:oz5uzikOo
 「その時は……そうだな。二人で何か食事処でも始めるか」 
  
 その言葉に秘められた意味をくみ取ったのだろうか。 
  
 今の私にとってはそれはわからない。 
134:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:24:23.52 ID:oz5uzikOo
 「小腹がすいたな」 
  
 そう呟いたのは真夜中であった。 
 しんと静まり返ったこの部屋に、相槌を打つ秘書艦などいるはずもない。 
  
135:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:27:17.53 ID:oz5uzikOo
 こつこつと靴が音を響かせる。 
 真夜中の廊下は、いつものようにしんみりと静まっている。 
 眠気に欠伸を誘われていても、いつもの場所への道のりは体が覚えていた。 
  
 月以外の明かりが部屋から漏れているのが見える。 
136:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:32:38.11 ID:oz5uzikOo
 「提督。お待ちしておりました」 
  
 「今日は何を作ったのだ」 
  
 「良い筍を仕入れたので、筑前煮を」 
137:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:34:49.68 ID:oz5uzikOo
 「今日は昼に何かあったのか」 
  
 昼時、この厨房が騒がしかったのを覚えている。 
 私がそれを問うと、鳳翔はにこやかに告げる。 
  
138:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:39:31.12 ID:oz5uzikOo
 人に教わっていた彼女が、人を教えるようになるとは。 
 感慨深いものだなと呟くと、鳳翔は懐かしむようにこう返した。 
  
 「あの時は至らない姿を何度も見せてしまい……」 
  
139:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:46:25.24 ID:oz5uzikOo
 「お前のどこに気品があるというのだ」 
  
 「ふふ」 
  
 何が可笑しいのやら、彼女は笑みを浮かべる。 
140:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:51:20.43 ID:oz5uzikOo
 「提督に褒めてもらうと、やはり嬉しいです」 
  
 「そうか。これからは客に褒めてもらえるよう、精進することだ」 
  
 私が告げた言葉に、鳳翔は眉を下げる。 
141:名無しNIPPER
2016/02/13(土) 09:57:51.76 ID:oz5uzikOo
 「それで、その料理教室とやらは今後も続けるのか」 
  
 「いえ、そのつもりはありません」 
  
 思わぬ返答に耳を疑った。 
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