過去ログ - ちなつ「切れた電球を今」
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83:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:45:59.49 ID:NYPOpsNEo
 きっと長い目で見たら、こんな想いに気付かないで、結衣先輩に告白してしまった方が楽だったはずだ。

 この充足した気分はきっと今だけのもので、これから私は結衣先輩に振られることよりも、もっとつらい思いをするのだろう。

 だけど、もしかしたら、それこそが私に与えられた本当の罰なのかもしれない。
以下略



84:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:46:34.22 ID:NYPOpsNEo
 *
 
あかり「ち、ちなつちゃん、どうしたの? こんな時間に」

 私は結衣先輩の言葉のとおりにすることにした。
以下略



85:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:47:16.90 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「ごめんね、あかりちゃん。急におしかけて」

あかり「ううん。ちょっとびっくりしたけど、大丈夫だよぉ」

 私とあかりちゃんは二人並んで夜の道を歩いている。
以下略



86:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:47:56.32 ID:NYPOpsNEo
 夜の公園には私たち以外誰もいなかった。

 私たちはベンチに腰を下ろして、何も言わず空を見上げている。

 あかりちゃんは何も尋ねない。私も何も答えない・
以下略



87:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:48:31.99 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「……開けてもいいかな?」

 私は今の言葉には返事をせず、代わりにあかりちゃんに問いかける。

あかり「うん、勿論だよ」
以下略



88:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:49:23.34 ID:NYPOpsNEo
 私はあかりちゃんに貰った袋に、リボンと包装紙を丁寧に折り畳んでしまいこむ。
 しまい終えると、再び私たちの間に沈黙が流れた。

 私はあかりちゃんからのプレゼントを見つめながら、次の言葉を探している。

以下略



89:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:50:10.64 ID:NYPOpsNEo
 あかりちゃんはそんな風に言うんだろうな、と思っていた。
 そんな風に応援してくれるんだろうな、と分かっていた。

 でも違うよ。あかりちゃん。
 そうじゃないんだよ。
以下略



90:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:51:05.57 ID:NYPOpsNEo
 辺りが静寂に包まれる。
 誰もいない公園で、ただまばらに散らばる星たちが、私たちを見つめるように瞬いていた。

 あかりちゃんは、何も答えない。
 何と答えたらいいか分からないというような表情で、目を泳がせている。
以下略



91:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:51:55.20 ID:NYPOpsNEo
 全てが終わったというのに、私の心は驚くほど晴れやかだった。

 本当は少しだけ、結衣先輩が言ったようなことがあることを期待してるんだと思った。
 この告白も、実際のところ、そんな僅かな希望に縋った身勝手な私のわがままなんじゃないかと。

以下略



92:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:52:31.74 ID:NYPOpsNEo
 その言葉で、私の頭は真っ白になってしまった。

 あかりちゃんも、私の告白を求めていた?

 それは、結衣先輩が言っていた、あの言葉のとおりだったということで……。
以下略



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