過去ログ - 周子「アイドルでオトメなあたし」
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13: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:10:06.04 ID:QpfMQaPz0



西日はあっという間に暮れて、星はどんより、雲の向こうに隠れている。

以下略



14: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:12:02.93 ID:QpfMQaPz0
へっしょい!


やっぱり身体を冷やしすぎたのか、こらえきれずに大きなくしゃみが出た。

以下略



15: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:13:09.07 ID:QpfMQaPz0
どうしてだろうとあたしは少し考え込み、そしてすぐにその理由に気付く。

答えはプロデューサーさんの顔に大きく書かれていたのだもの。

寒い中、長いこと待たせてすまなかった、と。


16: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:13:44.36 ID:QpfMQaPz0
少し申し訳ないなと思ったけれど、あたしも何も言わないままにしておいた。

どこかで見ているアイドルの神様も、これくらいの嘘なら許してくれるはずだと思ったから。

いつもはみんなのアイドルシューコなのだから、今くらいは、誰かを夢見るオトメのシューコの顔をしていてもいいんじゃない?


17: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:14:26.69 ID:QpfMQaPz0
「早く戻って暖かくしないとな」


「そーだね。事務所のソファーが恋しー」


18: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:15:06.23 ID:QpfMQaPz0
車の流れは順調とは言い難い。停まって動いて、また停まって。

スピーカーから聞こえてくる、ノイズ混じりの軽快な音楽の合間に、カーナビがぽつりと呟いた。

この先しばらく、渋滞が続きます。


19: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:16:19.87 ID:QpfMQaPz0
信号が赤色に変わる。

「まだ冷えるか」とプロデューサーさんが問うてくるけれど、あたしの視線は、横断歩道のそばでショーウィンドウを覗いているカップルに釘付け。

短いスカート! こんなに寒いのに、すごい頑張り屋さんだ。
以下略



20: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:17:16.11 ID:QpfMQaPz0
ぴろぴろぴろ。


聞き慣れない電子音は、プロデューサーさんへの着信の合図。

以下略



21: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:19:50.96 ID:QpfMQaPz0
ちひろさんかな、それともトレーナーさんかしら?

できるオトコ、と密かに業界各所で評判高いというその横顔をぼんやりと眺めていたあたしのそばに、役目を終えた黒色のスマートフォンがぽいと投げて寄越された。

カーステレオに車のエンジンが相槌を打ち、きらきら輝くネオンがゆっくりと後ろに流れはじめる。


22: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:20:38.55 ID:QpfMQaPz0
「いじっていーい?」


「駄目だ」


23: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:21:31.71 ID:QpfMQaPz0
駄目だと言われたときにはもうスマートフォンに手をかけているあたしを、プロデューサーさんはそれ以上特に注意するでもない。

慣れられているのか、それともひょっとして、諦められているのか。


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