過去ログ - 洒落たバーでカシオレを頼んだ男の話
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82: ◆9l/Fpc6Qck[saga]
2016/02/10(水) 00:22:03.75 ID:Re2PuZal0





それから長い時間を経て、僕たちは店を出ることにした。
僕がオークのドアをギギっと開ける。

もう日は登り、雨は上がっていた。
アスファルト一面に広がる水たまりに、ネオン光の消えた「monsieur」の文字が映る。

ドアを開ききると、そこにいた鳩の群れがバサバサと一斉に飛び立つ。
それは一糸乱れぬ綺麗な弧をゆっくり描いて、薄水色の空に黒い模様を付けていった。


それを二人で見上げる。
顔を見合わせ、笑みがこぼれる。


僕は彼女の手を引き、雨上りの街に踏み出したんだ。




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