過去ログ - 曙「バレンタインなんて大っ嫌い」
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25: ◆1VwSTfn.DM
2016/02/14(日) 15:51:41.14 ID:Wn2ZaAmv0
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「……先にあがってもいいって言ったのにな」
「おかえ——うわ、何その量」
時計の針が十二時を指す前に帰ってきたクソ提督の両腕はこれでもか、と言うくらいの量の包装されたチョコレートで埋まっていた。
曰く、会議室から執務室に戻る道程で次から次へと渡されに渡されまくったと困った様に言う。
「まだバレンタイン当日でもないってのにね。まあでも、提督冥利に尽きるってもんじゃない?そんだけ貰ったらさ」
「義理の特盛に対してよく言うよ」
「一つくらい本命があったりするんじゃないの?」
冗談半分でそんなことを言ってやる。クソ提督はなんだかんだで慕われていて、慕うあまり勘違いのような恋心を抱く奴も一人くらいはいるだろうし。
「まさか」
ドサリ、と音を立てて執務机に置かれた包装箱を一つ手に取って見る。これは暁のものだろうか、不慣れなりに努力して包んだ形跡が見て取れる。
「一番に食べるよーに!!!」と書かれてあるのは白露。何が入っているのか、紅茶の匂いがする箱は金剛姉妹の誰かだろうか。包装を一つ取っても個性が垣間見える。
「例えば金剛とかさ」
「それは困るな」
冗談めいた答えが返ってくるものと思っていたから、意外に低いトーンに少し目を丸くする。
そんな私を見て「ああ、いや、」と付け加え始める。
「金剛のことが嫌いとかそういうんじゃなくてな。俺はその気持ちに応えてやれないから」
「ああ、司令部の規律が乱れるとか、そんな感じ?」
「……半分はそういうことにしておこうか」
「半分?後は他に、本命がいるからとか」
「ご名答。っても本命からはまだ貰ってないけどな」
ソファに仰向けに転がったクソ提督は疲れを解き放つかの様に息を吐き出した。
ついでにさらっと他の誰かが聞いたらひっくり返りそうなことも言ってたけど。
「へえ?本命がいるんだ?冗談で言ったのに」
「まあな。でもそいつは凄絶的に鈍いし、俺も踏み出す勇気が無いから困ってるんだけどなー」
「アンタも大変ねえ」
私の言葉への返事は無かったが、苦笑いを返された。
そこまで興味は無いけど、誰だろう。那智とか浜風とか?
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