過去ログ - 提督「ウチは平和・・・なのだろうか?」艦娘「・・・・・」 その3(最終)
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3: ◆uyMG3dCVpM[sage saga]
2016/02/14(日) 05:20:31.60 ID:MlAAUWKt0
提督「本当に貴女は俺の・・・いえ、私の母なのですか?」

南方棲鬼「はい。貴方は私の血を分けた息子です。間違いなく」

提督は何も言わない。

誰も何も喋らない。少しの間、静寂が続いた。

提督「そうですか・・・分からないものです。このような時はなんと言えばいいのでしょうか」

何も感じない。喜びも、怒りも、悲しみも・・・ただ無の感情。

自分でも自分の感情が分からない。

普通なら涙を流して喜ぶべきことだろう。

非業の死を遂げたと思われた実の親がこうして生きている。それは奇跡であり、大変喜ばしいことだ。

だけど、現実感の無さがその感情を阻む。

自分の母親だと言うのに、どう喋っていいかも分からない。

提督(俺は昔、どうやって会話をしていたのだろう)

南方棲鬼「いきなりでごめんね。だけど、これは言わなきゃダメなことだから」

何度も頭を下げる。私に言う勇気が無かったと。

南方棲鬼もまた、どうやって接していいかが分からない。

名乗り出るまでは恐かった。軽蔑されるのではないか、拒絶されるのではないか、

両者共が接し方が分からず、お互い事務的に、まるで他人同士のように確認作業が続く。

電「一応、これが集められるだけ集めた当時の資料なのです。証言は全て一致しているのです」

提督「ありがとう」

資料を受け取ると目を通さず、机に置いた。今は見る気分ではなかった。

提督「正直、生きていたことは嬉しい・・・と思います。だけど自分の中で・・・」

南方棲鬼「分かっているわ。気持ちの整理がついていないのでしょう」

提督「・・・すいません。ですが何故、今になって突然・・・打ち明けたのですか?」

南方棲鬼「時間が掛かったのは私に勇気が無かったから。拒絶されるのが恐かった・・・」

提督「・・・・・・そうですか」

南方棲鬼「それと・・・今後の為。深海棲艦の別勢力接触する為」

提督「・・・例の穏健派ですか? お・・・貴女のお知り合いで?」

お母さんと呼ぼうとして、どこかで躊躇ってしまい呼べなかった。


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