1: ◆68b3SKzuAs[sage saga]
2016/02/16(火) 11:11:54.38 ID:jzcgwpeqo
夜、喉が渇いたので水を飲みに台所まで来たら、妹がなんだか俯いている。
元々陽気で嫌な事があっても軽い愚痴を冗談に混ぜ話して終わりにするような根に持たない質だ。
不審に思い「どうしたの?」と声をかけると
「怖いから、手を握ってて」
と小学生のような事を言い始めた。
二人共年齢で言えば成人した大人だ。
夜中に姉妹揃って寒気に包まれた台所で手を繋ぐなど異星人とて寄り付かない事だろう。
だがしかし、彼女は時折パニック障害? のようなものを起こす事がある。
停車する事の少ない特急列車や、一人で乗るエレベーター、トイレの無い場所に対して強い不安を抱いている。
○○がなかったらどうしようなどの想像により常に携帯する手荷物は増え、サブバッグは手放せない。
水分補給が出来なかったら、などが一番嫌なのか大きめのマグボトルを携行しながら500mlのミネラルウォーターを買う始末だ。
普段は彼女の元来の勝ち気な性格と、私自身の人は人という淡白な性格も相俟って此方を頼みとする機会は実に少ない。
頼り無い姉は困りものだと我ながら痛感していた。
そんな間柄を超越する程の不安に苛まれているのだろう。
青褪めるのを通り越し、土気色の目元で足元をウロウロと見つめている。
こう言った時は手を握るよりも決まって手首内側にある不安解消や血行促進に効くという『内関』のツボ押しを頼まれるのだが、今回はそれどころでも無いようだ。
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2: ◆68b3SKzuAs[sage saga]
2016/02/16(火) 11:13:57.60 ID:jzcgwpeqo
「ここじゃ冷えるよ。居間のこたつでのがいいんじゃない?」
「ううん。いや、うん…」
「? なに? どうしたの?」
3: ◆68b3SKzuAs[sage saga]
2016/02/16(火) 11:15:34.75 ID:jzcgwpeqo
兄が唐突に履いていたジーンズを脱ぎ、下半身を露わにする。
実家で共に生活していた時分、兄は風呂上がりに素っ裸で出てくる宗旨の人間だったのでもう見慣れていたモノではあるが。
それは明らかに屹立し、先端の赤黒い皮膚を露呈させていた。
4:名無しNIPPER[sage]
2016/02/16(火) 11:15:50.38 ID:SuI5ZcJeO
あ
これはあかんやつやわ
5: ◆68b3SKzuAs[sage saga]
2016/02/16(火) 11:17:10.38 ID:jzcgwpeqo
そこで漸く私は硬直から脱する事が出来た。
力任せに兄の肩を掴んで行為を引き止める。
仕事柄重い物を持ち運びなれ、出勤に往復15km自転車を漕ぐ私と、デスクワークで運動不足だと嘆いていた兄は体格で言うなら身長6センチ分以外そう大した差は無かった。
不意に、目眩を覚えて後ろに倒れる。
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