過去ログ - 森久保乃々「十年目の夜」
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6: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 14:53:43.94 ID:KdggYUJB0
 乃々「ううう……むーりぃー……」

 P「大丈夫、君なら成功する。俺を信じて」

 乃々「あうぅ……」
以下略



7: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 14:56:47.14 ID:KdggYUJB0
 少し冷めたコーヒーを飲み干して、ページをめくる。

 何枚か写真がある中で一際俺の目を引いたのは、俺がいまアルバムを広げているデスクの下に潜り込む彼女の姿を収めた一枚だった。

 たしかアイドル業が落ち着いてきて、固定のファン層も確立できた頃に、俺がソロライブの仕事を取ってきたときのことだ。
以下略



8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 15:03:40.00 ID:KdggYUJB0
P「なあ、そんなこと言わないでくれよ。それに、どうせ辞めるなら最後に大きな思い出作ってからでも遅くないとは、考えられない?」

 乃々「うぅ……プロデューサーさんは前から何度もそう言って、その度にもりくぼは甘い罠にひっかけられて、イベントが終わるとうまいこと言いくるめられて、を繰り返してアイドル続ける羽目になってるんですけど……」

 P「じゃあ森久保さんは、アイドルするの辛かった?」
以下略



9: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 15:08:04.98 ID:KdggYUJB0
 P「じゃあ、森久保さんが頑張って仕事したらご褒美をひとつ、なんでもあげるってのはどうだ」

 乃々「…………なんでも、ですか」

 P「おっ、食いついたな。ああ、俺にできる範囲なら構わないよ」


10: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 15:10:26.29 ID:KdggYUJB0


 乃々「……じゃあ、これからは呼び捨てにしてほしいんですけど」




11:名無しNIPPER[sage]
2016/02/19(金) 15:10:31.86 ID:QPP1CkIA0
期待
ん?今なんでもって


12: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 15:17:09.92 ID:KdggYUJB0
 P「呼び捨てというと、俺が、君に対して?」

 乃々「あうぅ……それしかないんですけど……」

 P「そんなことでいいならお安い御用だ、任せてくれ」
以下略



13: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 15:24:34.21 ID:KdggYUJB0
 流石にいまはそんなことはしないが、デビューしたころの彼女はなにかがある度にデスクの下に潜っていた。



 腕時計に目をやると、時刻は二十時を少し越えていて、ラジオの収録を終えた彼女がそろそろ帰ってくるころだ。
以下略



14: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 15:26:41.72 ID:KdggYUJB0
 更衣室に行くために彼女が出ていった事務所の扉の先を、なんとはなしに見つめる。

 いつのまにか彼女は、遠く、大きい存在になってしまった。


15: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 15:30:54.68 ID:KdggYUJB0
 着替えに行った彼女が戻ってくるタイミングに合わせて、コーヒーを淹れなおす。彼女が遅くに帰ってくるときは決まって、こうしていた。

 ガラステーブルを挟んで、お互いに向かい合う形でソファに腰掛ける。

 彼女はピンクの、俺は水色のマグカップで、これは彼女がデビューしてすぐのときに買ったものだ。
以下略



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