過去ログ - 神谷奈緒「あたしの幸せ」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:46:51.48 ID:n6hfI+eQ0
 直接言うのは恥ずかしいんだけど、言わなきゃいけない気がする。

「なに、礼を言うのは俺の方だよ」

 パソコンを叩いていた手を止め、ニコニコ顔であたしの方を振り向く。
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:47:36.97 ID:n6hfI+eQ0
 あたしがもじもじして、言い淀んでいるとふいに携帯電話の鳴る音が聞こえた。

「あ、やばっ……!」

 携帯電話の鳴った方から聞き慣れた声も聞こえてきた。
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:48:29.10 ID:n6hfI+eQ0
 なっ!? じゃああたしが来たときから二人はすでに事務所に居たのか!?」

「Pさん!」

 Pさんに向きなおる。あたしが来る前から二人が居たならPさんはもちろん知っていたはずだ。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:49:00.52 ID:n6hfI+eQ0
「せっかく奈緒が素直になりそうだったから優しく見守ってただけだよ」

「そうそう。いつも素直じゃないお姉ちゃんを見守ってただけ。どう? お姉ちゃん思いな良い妹でしょ?」

 あたしの可愛い妹分達は年上に対する敬意ってのが足りない。いつもいつもあたしをからかいやがって……。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:49:33.84 ID:n6hfI+eQ0
 帰りの車内でも二人はあたしをからかって楽しんでやがった。

 ようやく二人が降りて、からかわれるのから解放される。ほっとしたら少し眠くなってきやがった。

「ふわぁ……」
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:50:07.28 ID:n6hfI+eQ0
 あたしが困惑しているのを感じたのだろう。

「ちょっと話したいなって思っただけだよ」

「じゃあ……せっかくだし」
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:51:01.27 ID:n6hfI+eQ0
「俺はさ、お前らに恨まれてるんじゃないかっていつも不安になるんだ」

 ハンドルを握る手に力が入るのがわかる。

「アイドルって職業に縛り付けて、その娘が送るはずだった幸せな時間を奪ったんじゃないかってな」
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:52:37.80 ID:n6hfI+eQ0
「あの、さ。さっき事務所で聞かれたことなんだけど……」

 Pさんは相変わらず前を向いたまま生返事を返してくる。

「あたしが、Pさんを信じたのは、さ」
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:53:11.75 ID:n6hfI+eQ0
「この人なら、あたしを幸せにしてくれそうだなって、そう思ったんだ」

 Pさんの方を見るのをやめて、前を見る。そこにはあたしがいつも見ている世界が広がっている。

「……この目を信じてみよう。この人と一緒に同じ世界が見てみたい。だからアイドルになったんだ」
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:53:45.98 ID:n6hfI+eQ0
「じゃあ、送ってくれてありがとな」

 家の前で降ろしてもらう。ささやかなPさんとのドライブデートはあっけなく終わってしまった。

「おう、明日に備えてゆっくり休めよ」
以下略



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