8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:49:33.84 ID:n6hfI+eQ0
帰りの車内でも二人はあたしをからかって楽しんでやがった。
ようやく二人が降りて、からかわれるのから解放される。ほっとしたら少し眠くなってきやがった。
「ふわぁ……」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:50:07.28 ID:n6hfI+eQ0
あたしが困惑しているのを感じたのだろう。
「ちょっと話したいなって思っただけだよ」
「じゃあ……せっかくだし」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:51:01.27 ID:n6hfI+eQ0
「俺はさ、お前らに恨まれてるんじゃないかっていつも不安になるんだ」
ハンドルを握る手に力が入るのがわかる。
「アイドルって職業に縛り付けて、その娘が送るはずだった幸せな時間を奪ったんじゃないかってな」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:52:37.80 ID:n6hfI+eQ0
「あの、さ。さっき事務所で聞かれたことなんだけど……」
Pさんは相変わらず前を向いたまま生返事を返してくる。
「あたしが、Pさんを信じたのは、さ」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:53:11.75 ID:n6hfI+eQ0
「この人なら、あたしを幸せにしてくれそうだなって、そう思ったんだ」
Pさんの方を見るのをやめて、前を見る。そこにはあたしがいつも見ている世界が広がっている。
「……この目を信じてみよう。この人と一緒に同じ世界が見てみたい。だからアイドルになったんだ」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:53:45.98 ID:n6hfI+eQ0
「じゃあ、送ってくれてありがとな」
家の前で降ろしてもらう。ささやかなPさんとのドライブデートはあっけなく終わってしまった。
「おう、明日に備えてゆっくり休めよ」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:54:21.29 ID:n6hfI+eQ0
「そして、明日になればお前は引退して、ただの女の子に戻る」
「……」
「明日になれば俺のアイドルだった神谷奈緒は居なくなる。だけどな、俺はお前を手放したくないんだよ」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:54:54.79 ID:n6hfI+eQ0
あたしがよく理解できないままでいるのを、Pさんは察したのだろう。ストレートな言葉をぶつけてきた。
「お前が好きなんだよ。だから、付き合ってくれ」
「はぇ?」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:55:40.97 ID:n6hfI+eQ0
「ま、まって!」
今にも行ってしまいそうなPさんに向かって大声で引き留める。
「こ、ここ! あたしん家の敷地だから! だから今はただの神谷奈緒だから!」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/19(金) 20:58:26.86 ID:n6hfI+eQ0
ただの女の子の神谷奈緒のそんなお話は以上です。
書けば出るって噂で聞きました。ちひろ様も蒸しました。これ以上何をどうすれば私の元に奈緒が来てくれるんでしょうか。
私はいつになったら虹色橋をかけられるのでしょうか。
18:名無しNIPPER[sage]
2016/02/19(金) 21:41:20.66 ID:hr0rQ+UrO
乙
新婚生活まで書けば出るよ
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