過去ログ - 三船美優「ビフォア ザ シンデレラ」
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4: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:41:30.39 ID:mWvUcEHC0
 俺がまだ幼かったころ、隣の家に住んでいた同い年の女の子が彼女だった。

 同じ幼稚園に通い、同じ小学校に通い、俺と彼女はどこにいても、いつも一緒に過ごしていた。

 年齢が上がるにつれて、男女の無意識的な隔たりが同年代の友達の間で形成されつつあった中でも、俺と彼女は仲が良いままだった。
以下略



5: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:42:39.77 ID:mWvUcEHC0
 予約したレストランに入る。橙の照明が良い雰囲気を醸し出している。

 P「会うのは大学以来だっけ」

 注文を終えてしばらく沈黙が続き、先に口を開いたのは俺だった。
以下略



6: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:43:34.08 ID:mWvUcEHC0
 P「今日は、一体どうしたんだ?」

 正面から彼女を見据えると、彼女の視線は所在なげに揺れた。

 美優「……うん、あのね」
以下略



7: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:44:25.54 ID:mWvUcEHC0
 俺と彼女が十歳だったときに、家庭の都合で彼女が転校することになった。

 引っ越し先は、子供が気楽に行けるほど近くはなかったが、それでも新しい住所を教えてもらった。

 たとえ日常的に会えなくたって、手紙や電話のやり取りならできる。
以下略



8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:45:10.52 ID:mWvUcEHC0
 そして、大学に進学した俺は、そこで同じ大学に合格した彼女と再会を果たす。


9: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:46:25.35 ID:mWvUcEHC0
 彼女が上京して一人暮らしを始めることは知っていたが、進学先までは聞いていなかった。


 お互いに、相手のことにはすぐに気がついた。

以下略



10: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:50:00.11 ID:mWvUcEHC0
 美優「懐かしい! 向かいに住んでたおばあちゃんのことだよね? まだあのおばあちゃん元気にしてるのかな」

 P「正月に実家に帰ったときに会ったぞ。まだまだ元気そうだった」

 美優「また会いたいな。でも私のこと、覚えていないかもだよね……」
以下略



11: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:50:45.33 ID:mWvUcEHC0
 P「……なあ」

 美優「うん?」

 だからこそ俺は、確かめたくなった。
以下略



12: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:51:24.06 ID:mWvUcEHC0
 美優「きっとね、私はびっくりしてたんだと思う」

 少しの間考える素振りを見せてから、彼女は呟いた。

 P「びっくり?」
以下略



13: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:52:08.53 ID:mWvUcEHC0

 美優「うん。かっこよくなってたよ。あのときも、それに、いまも」



14: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/21(日) 00:53:24.48 ID:mWvUcEHC0
 P「え、あー、そうかな」

 顔に血が上るのが感覚的にわかる。内心の高揚を悟られまいと、グラスを傾けた。


以下略



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