過去ログ - 菊地真「待ち合わせ」
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:26:40.44 ID:VRGhkH1O0
穏やかな春の日差しを受けながら、ボクは目的地へと早足で歩く。

待ち合わせの時間まで後10分はあるので、ゆっくり歩いても十分に間に合う。

けれど、おそらく――いや、絶対に待ち合わせをしている人物はボクより早く来ているだろう。
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:27:28.01 ID:VRGhkH1O0
「そういえば初めて会ったのもこの公園だっけ……」

歩きながらふとそんなことを思い出していた。

第一印象は最悪だった。
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:28:30.27 ID:VRGhkH1O0
これ以上思い出すと、会った瞬間に殴りそうになるので思考を止める。

そんな彼だけど、勤務態度はすごく真面目だった。

ボクのことを第一に考えてくれて、アドバイスも的確だった。
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:29:12.54 ID:VRGhkH1O0
そして、彼はどんどん仕事を任されて、他のアイドルの担当もするようになった。

『体がいくつあっても足りないよ』

そういった彼の顔がうれしそうだったのが印象的で、その笑顔が今も頭の隅に残っている。
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:29:54.88 ID:VRGhkH1O0
別に寂しいと思ったわけではない。

薄情だと思ったわけでもない。

それなのになぜか腹立たしい気持ちになって、仕事に集中できなくなった。
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:30:45.11 ID:VRGhkH1O0
怪我が完治した後は、今までの失敗を取り返すように頑張った。

ラジオ、ドラマ、バラエティなど様々なジャンルに挑戦もした。

ただ、どれをやっても女性ファンが増えるだけで男性のファンは増えなかったけど……
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:31:31.95 ID:VRGhkH1O0
そんなときだ。ファンレターの中にボクをきちんと女の子として見てくれる人が現れた。

ボクは小躍りして喜んだ。

けれど、何度もファンレターを読むたびに気づいた。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:32:11.08 ID:VRGhkH1O0
今も彼はファンレターを書き続けている。

ボクにばれてるとは知らずに。

いつかは彼に伝えないといけない。このファンレターを書いているのが誰かボクは知っていますよ、と。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:32:59.69 ID:VRGhkH1O0
そんなことをずっと考えている間に、目的の場所が見えた。

桜の木の下に人影が見える。

「おう、真。今日はよろしくな」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:33:40.13 ID:VRGhkH1O0
挨拶もほどほどに桜の木の下で互いにストレッチを始める。

ボクたちは今日、ランニングをするために来たのだから当然だ。

ちなみにボクの日課のランニングに彼が付き合う形だ。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:34:19.73 ID:VRGhkH1O0
あ、そういえば真。知ってるか?」

「ん?何がですか?」

「お前が待ち合わせ場所に指定したこの桜の木の下。カップルの待ち合わせによく使われてるみたいだぞ」
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