過去ログ - 初月「エイハブ船長にでもなったつもりか?」
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31: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/28(日) 23:47:43.13 ID:bPBH8/OkO

「いいか」

提督の声のトーンが落ちる。

以下略



32: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/28(日) 23:48:12.03 ID:bPBH8/OkO
ろくに艦隊の様子も見ず、ただ事務的に今日の任務の開始を告げて提督は部屋を出る。秘書艦を除けばここの艦娘が一日のうちで彼を見るのはこれが最初で最後だ。

彼の声に唯一人間味が宿るのは、件の潜水艦の話をする時だけだ。

「さあ準備しよう」
以下略



33: ◆uLYDn.hAKU[sage]
2016/02/28(日) 23:48:56.80 ID:bPBH8/OkO
以上です。
しばらく空きます。


34:名無しNIPPER[sage]
2016/02/29(月) 07:14:30.80 ID:0rRhKavFo



35: ◆QEATJVWLm6[saga]
2016/03/09(水) 01:44:08.09 ID:4XAGZLOMO
まだ函館にいた頃の話だ。
いくら俺のデキが悪かったと言っても、まだ前途に少しは希望があった頃。

当時は函館基地で艦隊を指揮していた。あそこにも艦隊は一つしかなかったが、二隻の航巡を中心とした計六隻の艦隊でここのよりずっとマシだった。

以下略



36: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/03/09(水) 01:45:51.48 ID:4XAGZLOMO
哨戒艇で二隻の調査船より数百メートル先行し、絶え間なく入ってくる艦隊の報告を聞いていた。
後ろの二隻の内の一つに自分より階級も立場も上の人間が乗っていると思うとひどく緊張する。不快な緊張だ。

大湊の提督は星二つの少将だ。イギリスに留学してた経験があり、気質までイギリス人になったのか無愛想で、相手をおちょくる冗談が大好きな男だ。端的な言えば、嫌味な人。

以下略



37: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/03/09(水) 01:46:43.10 ID:4XAGZLOMO
「もし、提督。えぇっと……二時の方向に潜水艦らしき影が見えます」

心臓が一瞬だけ止まったような気がした。
彼女の報告が信じられない。
一週間も前から消毒をかけていたというのにすり抜けてきたやつがいるのか?
以下略



38: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/03/09(水) 01:47:21.90 ID:4XAGZLOMO
「クジラと間違えてないか?」

羅針盤が示した点で鯨と深海棲艦を誤認することはたまにだが、ある。
艦娘の目も少し視力が高いだけで深海棲艦を簡単に見抜けるわけではない。

以下略



39: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/03/09(水) 01:48:03.49 ID:4XAGZLOMO

「うん。聞いてました。水雷戦隊で対処しますか?」

「いいや。駆逐艦はそのまま調査船に貼りつかせろ。由良と、航巡の艦載機で対処」

以下略



40: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/03/09(水) 01:48:38.92 ID:4XAGZLOMO
雷跡が見えていた。それを辿るように銃撃を走らせたが、当たる感触はない。

二マガジン撃ち尽くしたところで銃身が熱くなりだしたことに気づいた。
ライフルを足下に放り、単発の擲弾銃を取る。

以下略



41: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/03/09(水) 01:49:12.69 ID:4XAGZLOMO
艦隊の誰かがなにか叫んだ。誰かも、なんと言ったのかもわからなかったが、無線機からでなくすぐ隣で叫んだのだけはわかった。

なんと言ったのか聞き取る間もなく哨戒艇は横からもの凄い衝撃でひっくり返された。



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