過去ログ - 殺し合いハウス
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5:くろひ/DAI
2016/02/29(月) 20:55:52.16 ID:XFAvTUJR0
それでは皆様改めまして、ようこそいらっしゃいましたーー! 私、司会を勤めさせていただきます。どうぞ気軽にマスターと呼んじゃってくださいね!」

 天海が席に座って落ち着いたことを確認したのだろう。不気味仮面……マスターがテーブルの先に立ち、声高らかに宣言した後、さらに声を上げる。

「ここは、『殺し合いハウス』と呼ばれる館です! 皆様は選ばれたのです! この、大金を賭けたビッグゲームの挑戦者に!! 喜ばしい、ああ、喜ばしい!
 ここでは皆様に、あるルール、付与される特殊能力を以て、殺し合いを行ってもらいますが……ここで必要なのは、身体能力か? 殺し慣れた経験か? ノンノン、どちらも違います。
 皆様の、頭脳……戦略こそが全てなのです!」

 一瞬の静寂。しかし、本当にそれは、文字通り天海が一度の瞬きをしただけの時間であり、次の瞬間にはイスを跳ね飛ばして立ち上がって、

「こ、殺し合い!? 殺し合いをするんですか……!?」

と、マスターと他プレイヤーを交互に見た。

「は? お前知らなかったのかよ」

 そこに声をかけたのは、館の玄関で出会ったトンデモ服装のイケメン女性。

「大金をもらえるんだから、それくらいするよねえ」

 続いて、糸目いとめの青年が、優しい口調で声をかける。もっとも、優しい口調ながらその発言は厳しいが。

「え? あの! 殺し合いって……それに、特殊能力ってなんですか!?」
「はっ、質問は最後にまとめてしやがれってんだやかましい」

 さらに天海が畳み掛けるが、それを言い切るが前に、イカメンが遮った。金髪を持つ彼の獰猛どうもうっぷりは、サバンナでライオンとタメを張るに違いない。

「桐生様のおっしゃる通りにしていただけると私もありがたいですー!」

 そこにはマスターも同調し、天海はストンとイスにカムバックするしかなかった。どうやら今すぐ野生に放つべき猛獣は、桐生というらしい。

 下を向いたまま座った天海に、テーブル上にある用紙が目に入った。自分の名前を含む10の名前が書かれ、隣に顔写真が貼られている。それがゲームの参加者名簿だと理解するのに時間は要さなかった。
 確認すると、桐生京我(きりゅうけいが)、という名が書かれており、目を合わせてはいけない猛獣の名前が分かった。

「……」

 天海は一度顔を上げると、相変わらずのキリっと顔で腕組みをする女性を見やる。天海が玄関で出会った奇抜女性だ。こちらは、秋山あきやまみなね、というようで、天海はここで初めて会ったプレイヤーだからか、どうも気になっていた。


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