過去ログ - 華琳「ガッツ……貴方を、必ず私の物にしてみせるわ」
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名無しNIPPER
2016/03/05(土) 01:33:46.46 ID:BCv3nobOO
とりあえずキャスカに危害は加えられていないが、警戒すべき相手と判断する。
その当のキャスカはそいつから受け取ったのか、大きな鏡を持って遊んでいた。鏡はあまり見たことのない意匠をしており、遠くの地の物だということだけ解る。
キャスカは自分の顔を映して、変な顔や笑った顔など表情を多彩に変えていた。
「んー? ――――ぎぃっ!?」
鏡にガッツの姿が映ったせいだろうか、彼女はこちらの方を振り向き、威嚇するような顔を浮かべる。
「おいっ、キャスカッ!」
無闇に一歩踏み出したのがマズかった。
キャスカは今、ガッツを拒絶している。そして逃げた彼女がそんなガッツに対してすることは一つだった。
即ち、手近にあったものをぶん投げること。
「あぁぁぁぁっ! あぁっ!」
鏡はガッツの顔をめがけ飛んでいき、払われた左腕によってパリンと高い音を立てる。
「おい、キャス――――!?」
その時、初めてガッツは奥にいた白づくめの男の顔を見た。正確には、口だけ歪ませしてやったりと示す笑みを。
「おーーい、ガッツー、先いきすぎってなんじゃそりゃあっ!?」
後から遅れてやってきたパックがその異常事態に気づく。
割れた鏡からどんどん光が漏れ始め、辺り一面を覆い始めていた。その“力”が強くなっていくのを烙印から感じる。
「テメェ、いったい!?」
鏡から目の前にいた男に視線を戻すと、そこには男の姿はもう無かった。その間にも光はガッツ達三人を包みだし、ヤバい感じはますます強くなる。
――この感じっ、まさかあん時の!
かつて二度巻き込まれた――――否、誘われた感覚と同じだった。
異界へとズラされるあの感じだっ!
「わわわわわっ!? なんかヤバげだっ! 逃げろーガッツ! 早くここから離れないと!」
「キャスカ、こっちに来いっ! キャスカァッ!」
伸ばした手は届かず。最後まで彼女に拒絶され。
ガッツ達三人は光に飲まれ、この世界から姿を消した。
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