313: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 00:56:19.68 ID:8i5gGj6YO
胡桃は柱に身を隠した。足音から察するに“かれら”ではなく、“かれ”または“かのじょ”であることは明白だった。胡桃は、いままでと同じようにシャベルを振るえば“かれ”または“かのじょ”はすぐに動かなくなると思った。むしろ胡桃が心配したのは、自身のことより太郎丸のことだった。太郎丸がこの人物、かつてひとだったものに遭遇していなければいいと願った。
足音がサイリウムの側まで近づいてきた。いまだ緑色の光を放つそれが、足音の正体を照らした。その正体は“かのじょ”だった。
314: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 00:59:41.19 ID:8i5gGj6YO
ーー放送室
ペラッ...
315: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 01:01:50.14 ID:8i5gGj6YO
永井 (塗りつぶされている箇所はあるが、それでもこのマニュアルに書かれていることは重大な価値を持つ)
永井 (食糧や救急物資の存在より、感染症の種類と事態の原因とおぼしき企業、関連組織の名前が判明したのは大きな収穫だ)
316: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 01:04:03.47 ID:8i5gGj6YO
チョン...
317: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 01:06:07.92 ID:8i5gGj6YO
永井「僕は亜人だ。死ねば治るよ」
美紀「っ……!」
318: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 01:08:59.92 ID:8i5gGj6YO
由紀「……そのケガ、くるみちゃんのせいなんだよね?」
永井「それがなんだよ?」
319: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 01:14:24.66 ID:8i5gGj6YO
永井「なに言ってるんだ……? 自分が言ってることをちゃんと理解してんのか?」
美紀「せ、説明はむずかしいけど……わかってるつもりです! とにかく手当てしてください」
320: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 01:16:17.90 ID:8i5gGj6YO
永井「……」
美紀「なら、実物としてのマニュアルにそこまでこだわるのはどうしてですか?」
321: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 01:18:54.73 ID:8i5gGj6YO
永井「これか……直樹さん、もう火つけなくてもいいだろ」
美紀「あっ、け、消します……あの、手伝いましょうか?」
322: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/08(水) 01:26:12.74 ID:8i5gGj6YO
美紀「……わたしがここにやってきて過ごしているうちに、気づけばたくさんのものをもらってました。楽しいことやあたたかいこと、ほかにも、大事なことを。わたしにとって学園生活部は大切な場所なんです。だから、ここにつれてきてくれた永井先輩にはほんとに感謝しています」
美紀「でも、そのうち気づいたんです。永井先輩はわたしたちといっしょにいるけれど、わたしたちとちがうことを考えてるんだって。当然ですよね、先輩とわたしたちでは事情がまったく異なるんですから」
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