5:人外好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2016/03/19(土) 12:55:26.75 ID:FU69ie4a0
「恭平は俺の意見を否定するが、お前もアンドロイドにかかわる職種だろう。思うところはないのか?」
「俺はただ家電をデザインしてるだけだ。アンドロイドを人間に近づけようだなんてさらさら思ってねぇよ」
「まるでアレルギーだな」
「そっちは依存症かよ」
「依存症で何が悪い。いまやアンドロイドを伴侶する奴もいるんだ」
「ごく少数のやつだけれどな」
アンドロイドとの結婚。そういえば先日電子新聞で取り上げられていたのを見たことがある。またアンドロイドと人間の関係に一石を投じる事件が起きたらしい。
アンドロイドと人間に諍いはいつの時代も変わらないものみたいだ。
「稔はどう思うんだ?」
「え?」
いきなり二人が僕に話しを投げかけてくるので僕は反応ができず、口を半開きにして二人を見た。
「どう、ってなにが?」
「アンドロイドについてだよ。もちろんお前は常識人だからこっちだよな」
「いいや。アンドロイドは小説から生まれた。アイザック・アシモフがロボット三原則を作り出したのだから、同じ小説家であるお前がアンドロイドを否定するはずがない! もちろん例のハイテクアレルギーを除いてだが。さぁ、自分の心に素直になって言うといい」
「その言い方は卑怯だろ。さぁ、稔、お前はどう思うんだ?」
「え、えっと、それは」
「マスター、本田様。三浦様が困ってます」
「わりぃ、ヒートアップしすぎた」
「すまない」
素直に謝る二人から目を背け、僕は人形を見た。
アンドロイドをどう扱うか。
身近でない僕はその答えを持っていない。
人間と同じ形をしたそれをどう扱えばいいのか。僕はまだ分かっていない。
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