過去ログ - 強い想いがあったなら
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6:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:06:21.06 ID:r/YI2ILr0
 瞼を開けると、そこはいつもどおりの下校道だった。
 今、なんか長い夢を見ていた気がするけど・・・気のせいか?
 そんなことより、僕は生きている!
 なんだ、てっきりダンプカーに轢かれて死んじゃったと思ったよ。

「はは・・・・・・見てよ秋人!僕、生きて・・・・・・」

 両手を広げて友人に生還を知らせようとした時、僕は絶句する。
 秋人と夏美が、何か赤黒い塊に寄り添い、泣いている。
 その塊がなんなのか、僕は知っているような気がした。
 違う、違うよ・・・・・・あの塊が、ソレなわけがないじゃないか。
 僕は少しずつ、フラフラと近づく。
 ほぼ原形を留めていない体。ソレが持っていたであろう鞄も一緒に潰されたらしく、様々なものが散らばっている。
 あぁ、あれは弁当箱かな。僕も赤が好きなんだ。お揃いだね。
 あ、あれはルーズリーフかな?僕も同じデザインのものを使っていた気がするぞ。

「ぁ・・・ぁぁ・・・・・・」

 よく見れば、なんで僕には足が無いんだよ?
 なんで、体が透けてるんだよ・・・・・・?

「嫌だ・・・・・・」

 僕は死んだ。
 文字通り、死んだ。
 もう美味しいものを食べることも、読みたい本を読むことも、何もできないのか・・・・・・?

「うわあああああああああああああああああああああああああああッ!」

 僕は号泣した。
 涙は地面に当たると、染み込むこともなく消えていった。


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