10: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:32:33.36 ID:YEu02TvIO
「『今日は本調子ではなかったので、明日また見て欲しい』なんて、よくあんなウソをつきましたね」
男性が養成所を去った後、トレーナーは呆れたように言った。
11: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:33:34.09 ID:YEu02TvIO
“この笑顔は天性のモノだ”
最初に会ったトレーナーはそう感じ、美穂も全く同じ感想を持った。
12: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:34:55.30 ID:YEu02TvIO
アイドルとしてのレッスンは、養成所の何倍もハードなものであった。
もしかしたら、卯月がいなければ挫折していたかもしれない。その卯月も、決して弱音を吐かず、毎日レッスンをこなしていた。
13: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:35:41.80 ID:YEu02TvIO
「プロデューサーさんって、魔法使いみたいだよねっ」
初ライブの衣装を見せてもらった日の帰り道、美穂は卯月にそう言った。
14: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:36:27.71 ID:YEu02TvIO
尊敬。
15: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:37:17.35 ID:YEu02TvIO
初ライブは大成功。プロダクションのアイドル一期生として、まずは良いスタートを切ることができた。ファンも順調に増えているようだ。
さて、よくアイドルには、『このユニットの中で誰が好き?』という問いが生まれる。
だが、卯月と美穂は、その溢れる仲の良さや雰囲気が最大の魅力のため、ファンの間でそのようなやり取りは生まれないのだ。
16: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:38:30.27 ID:YEu02TvIO
ある日、雑誌の表紙を飾ることとなり、2人で写真撮影に臨んだ。
普段、例えば特に会話をする仕事や撮影ではNGを出しがちな美穂であるが、写真撮影はお手の物。
そのはずであった。
17: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:39:59.48 ID:YEu02TvIO
どうやら、恋というものは、噂に聴いていたよりも自分の無意識を変えてしまうようだ。
もとから上手に喋れない性格で良かった。と、思う日が来るなんて考えもしていなかった。
18: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:40:50.24 ID:YEu02TvIO
とある日のレッスン後、妙にそわそわしている卯月と訪れたとあるカフェで、美穂の運命は大きく変わることとなる。
「わ、私、プロデューサーさんのことが好きなのかもしれません!」
19: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:41:46.19 ID:YEu02TvIO
自分の恋を自覚した前後、美穂は仕事場で“気合入ってるね〜”と声を掛けられることが多くなった。本人としても単純だと思うのだが。
だが、それから卯月の恋を知った美穂は、仕事に対するモチベーションがわからなくなってしまっていた。
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