過去ログ - 前川みく「ハンバーグが鳴く頃に」
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20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 11:58:06.37 ID:6MxfTFCf0
「あ、あのさ……ここって一体、どういうレストランなの?」
「どういうって、普通のレストランですよ。あぁでも、少し変わってると言えば、変わってるかも」
「お店の中も高級そうだし、なんだかみくたち、場違いじゃないかなぁ……」
「ふふっ、安心してください。内装は凝ってますけど、料理のお値段は良心的ですから」
彼女が、開いたメニュー表を見せてくる。
写真の無い、文字だけのメニュー表。
ずらずらと並べられた料理の名前の横に書かれた値段を見ると、彼女の言うとおり、
普段の外食よりも少しだけお高いかなといった金額で、決して高すぎるだとか、そういった風には思えなかった。
いわゆる、席代とでも言おうか……このお店の雰囲気を考えてみれば、高すぎず安すぎず、まさにちょうど良い値段。
そして、みくの目を引いたのはなにも料理の値段だけではない。
メニューの隅、洒落た装飾でできた囲いの中に、一編の詩のようなものと一緒に書かれていた、奇妙な名前。
「この、『びっくりハンバーグ』って、なに?」
「そちらは当店一押しの、オススメメニューとなっております」
驚いて顔を上げると、いつの間に戻ってきたのか、みくの隣に先ほどのウェイターが立っていた。
どうやら、水を持ってきたらしい。ゆらゆらと水面を揺らすグラスが二つ、テーブルの上に置かれている。
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