過去ログ - 前川みく「ハンバーグが鳴く頃に」
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21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 12:00:22.88 ID:6MxfTFCf0
「それじゃあ、私は『闇夜のハンバーグ』で……みくちゃんは、どれにするの?」
「えっ? え、えぇっと、みくは……」
二人の視線がみくに注がれる。しまった、まだ何を食べようか……
いや、ハンバーグを食べる事には決めていたが、どれにするかまでは決めていない。
みくは内心大慌てであったが、それをウェイターに悟られぬよう、平静を装ってメニュー表に目を戻す――が。
「狐と狸のハンバーグ」「暴れ牛鳥のハンバーグ」「三匹の子豚と狼のハンバーグ」そして「闇夜のハンバーグ」
……駄目だ。どれもこれも、書かれている料理の名前からは、味も見た目も想像がつかない。
仕方なく、みくはウェイターにたずねる。
「こ、この……狐と狸のハンバーグって、どんなハンバーグなんです?」
「はい。そちらは嘘つき狐とお馬鹿な狸の肉を使い、さらにとんちの効いたスパイスで味付けした一品になります」
「……暴れ牛鳥は?」
「そちらは幻の怪鳥、牛鳥の中でもひと際凶暴な一匹をまるまる使用した、まさにお腹の中で暴れまわるひと品で――」
どうやらこの調子だと、次のハンバーグも豚肉と……狼肉? を使った物だと説明されそうだ。
もちろん、狼の肉なんて、みくは食べるどころか見たことすらない。
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