過去ログ - 高槻やよい「思い出はもやしと共に」
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18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/24(木) 05:05:25.55 ID:K/5XZl+00
「パパ? はづきのお話、ちゃんと聞いてますか?」
「お、おう。ちゃんと聞いてるよ……大丈夫、伊織の病気は、『仮病』だから」
「……けびょう?」
伊織が転がったまま視線だけを俺に向けて、「ちょっと! 余計な事言わないでよ!」と訴えてくるが、
俺はその訴えを無視してそのまま説明をつづける。
「仮病って言うのは、嘘の病気ってこと。
だからほら、転がってるのに、しっかりとお酒の入ったコップは握ったまんまだろう?」
「え、えぇー……?」
「……っ!」
そこからの伊織は素早かった。
はづきの疑惑の眼差しが向けられるよりも先に、その小さな体を勢いよく自分の方へと抱き寄せる。
あっという間に伊織の腕の中に収まったはづきの姿は、まるで捕食者に捕らえられた獲物のようで。
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